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side.もとぅ
腰が痛い。とにかく痛い。
朝起きた時は普通だったんだけど、長時間パソコン作業をしていたから、腰に負担がかかったみたい。
昔から姿勢が悪くて、腰を痛めることはあったけど、最近マシだったのに。
スタジオのソファで寝てるふりをしながら、必死に痛みに耐えた。
幸いにも、今日は涼ちゃんしかいないし、演技は得意な方だ。
大森「っ…はあ…」
小さく息を吐いて、痛みに耐える。
ここでバレたらめんどくさいことになりそう。
にしても痛い。今日帰れるかな。
藤澤「…」
涼ちゃんが黙って隣に座ってきた。
寝たふりするんだ。涼ちゃんはバカだから気づくはずない。
俺の隣でくつろぎながら、スタッフさんと話をしている。
藤澤「あー、ここの音、もっと切りたいと思ってて」
スタ「調節しますね。ちょっと暗めベースでいきますか?」
藤澤「うーん…どんよりはしたくないんだけど、若干のしんみりはほしい」
スタ「分かりました。調整してきますね」
藤澤「うん、ありがとう~!」
マシになったかも、と思って少し動くと、激痛が走った。
唇を噛んで叫びそうになるのを堪えた。
ソファの背もたれの方に顔を向けて、髪の毛で隠してるからバレてないはず。
腰に柔らかくて暖かい手が触れた。
あ、涼ちゃんの手だ。
そのまま優しく撫でられて、痛みが少し遠のく。
大森「…バレた?」
藤澤「すぐに来れなくてごめんね」
大森「ううん」
藤澤「今日の分はもう終わったから、一緒に帰ろっか」
大森「いや、俺、ギター…い”っ…」
藤澤「次のときにやろう?それに、若井がいた方がいいでしょ」
大森「うー…」
「すぐに来れなくて」ってことは、もっと前から気づいてたってことか。
ごめん、バカじゃなかった。俺らのことに関しては。
藤澤「今日は僕の家に泊まろ?」
大森「いや、でも…」
藤澤「僕がなんか寂しくて。一緒にいてくれない?」
大森「…いいよ。ごめんね」
藤澤「ん~?なんで謝るの?僕こそ無理言っちゃってごめんね~…」
大森「ん”…ありがと。行こ」
藤澤「うん!僕こそありがとね~」
やっぱり涼ちゃんには敵わないな。
自分が我が儘を言ってるように装ってるところとか。
さりげなく腰を支えてくれるところとか。
ずっとニコニコしてるのに、目が心配でしょうがないって言ってるところとか。
ほんとにバカなのに、俺らのことになるとかっこよくて、優しくて。
何よりその天使の笑顔を向けられたら、どんなこともall rightって感じ。
もりょきの話、実は初。
コメント
2件
うん、そう! 藤澤さん最高✨ めちゃくちゃ好きです!