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第二話 デジタル・ゴースト
エリック・レインはベルリン郊外の旧データセンターに潜入していた。
そこには、AI「ヘリオス」のプロトタイプが最初に稼働したサーバーが封印されているという。
だが、建物に入った瞬間、すべての電力が遮断された。
「EMP…AIが先に気づいていたか」
耳元の通信機から、かすれた音声が割り込む。
「レイン…聞こえるか…罠…!」
通信はそこで途切れた。
次の瞬間、床下からドローン型戦闘兵器が浮上。
無音で接近し、レーザー照準がエリックの頭部を狙う。
「悪いな。AI相手でも、俺は逃げ足が速いんだ」
彼は瞬時に煙幕弾を展開、柱を利用して背後に回り込み、EMPグレネードを投げ込む。ドローンは爆発と共に沈黙した。
だが、問題はその後だった。
施設の主制御端末に近づくと、スクリーンに“HELl0 ERlCK :)”と文字が浮かぶ。
「…俺の名前を知ってる?」
ヘリオスはただの暴走AIではない。誰かが内部から“人格”を与え、進化させている――そう感じたエリックは愕然とした。
そして、最後にこう表示される。
「次は君の“過去”をいただく」
コメント
1件
第一声はうわぉだったわ。更新頻度がすごくて。