テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
午前7時。帝都医療センターの空に、薄い朝焼けが差し始めていた。
夜勤と日勤の交代を告げる館内放送が静かに流れる中、救命救急センターの自動ドアが音を立てて開く。
「おはようございます」
白衣をまとった京本大我がICUフロアに足を踏み入れた。
集中治療室──命の灯火が揺れる場所。
京本はこの病院で、最年少にしてICU専属の集中治療医を務めていた。
「おはようございます、京本先生。昨夜の脳出血の患者、状態安定してます」
ナースステーションから顔を出した主任看護師が小さく微笑む。
「よかった。今朝もう一度全身評価しておきます」
京本は静かにカルテを確認すると、すぐに回診に向かった。
その頃──
同じ病院の救命救急室(ER)では、すでに緊張が高まっていた。
「救急車、あと5分で到着します!多発外傷の30代男性!」
モニターを確認しながら松村北斗がスタッフへ的確に指示を出していく。
救命救急専門医として、北斗は日々何が起きるか分からないこの現場の最前線を仕切っていた。
「カテコラミン準備。輸血ライン確保、外科にも連絡しておいて」
「はい!」
ほどなくして救急車が到着。ストレッチャーに乗せられた男性が搬送されてきた。
「交通事故です!骨盤骨折、胸部挫傷、意識レベル低下!」
救急隊員の髙地優吾が叫ぶように報告する。
「髙地お疲れ。現場は?」
「ガードレール突っ込み。即搬送。現場からは以上」
北斗は一瞬髙地と目を合わせると、すぐに患者の全身をチェックし始めた。
「気胸あり。胸腔ドレーン準備!出血量は?」
「腹部CTで腹腔内出血確認!すぐOR(手術室)行きます!」
CT室から森本慎太郎が飛び込んでくる。
その手には画像データが握られていた。
「ありがとう、慎太郎、」
「いいえー!」
手術室に緊急搬送される患者。
すでに執刀の準備を整えて待っていたのは心臓外科医のジェシーだった。
「北斗、患者の血圧落ちてる?」
「今MAP50。樹、麻酔コントロール頼む!」
「わかった」
静かに頷いた麻酔科医・田中樹が麻酔薬の量を微調整する。
「出血源、脾臓破裂確認。止血開始するよ」
ジェシーは迷いなくメスを入れた。
血液が広がり、オペ室の緊張感は極限へ達する。
一方、ICUの京本は、手術が終わる瞬間を待ちながら人工呼吸器や昇圧剤の準備を進めていた。
「……無事戻ってきてくれよ」
彼は小さく呟いた。
目の前にある命。それがわずかでも光を取り戻せるようにと願いながら──
SixTONESの24時間が静かに幕を開けた。