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第1話 「最悪な再開」
入学式の日、俺は最悪な偶然に遭遇した。
??「ゆあんくん…?」
その声を聞いた瞬間、背筋がぞくっとした。
ゆっくり振り向いた先にいたのは、2年の制服を着たじゃぱぱ。
…なんでいるわけ。
小学校のとき、毎日一緒に帰ってたやつ。
最後に交わした約束まで、ちゃんと覚えてる顔。
心臓がうるさい。
でもそんなの、絶対にバレたくない。
じゃぱぱ「久しぶりだな。」
落ち着いた声。
背も伸びて、雰囲気も変わってるのに、笑い方は昔のまま。
むかつく。
なんでそんな普通なの。
「別に久しぶりってほどでもないし。」
嘘。
めちゃくちゃ久しぶり。
じゃぱぱが一歩近づく。
距離が、近い。
じゃぱぱ「同じ高校、受けたんだな。」
「たまたまだから。じゃぱぱがいるって知らなかったし。」
本当は知ってた。
合格者掲示板で名前を見つけたとき、嬉しかった。
でも言えるわけない。
沈黙が落ちる。
目を合わせたら負けな気がして、視線を逸らす。
そのとき。
じゃぱぱ「俺は知ってたら、もっと早く探してた。」
…
は?
心臓が一瞬止まる。
「 は!?なにそれ、気持ち悪いんだけど!」
反射で叫ぶ。
顔が熱いのが自分でもわかる。
じゃぱぱは困ったみたいに笑う。
昔と同じ顔…
やめて。
思い出すから。
小学校の帰り道。
ランドセル背負って、くだらない話して。
“また同じ学校になったら、ずっと一緒にいる。”
あの約束。
じゃぱぱ「…覚えてるか?」
低い声で聞かれて、胸がぎゅっとなる。
「覚えてないし。ガキの約束だし。」
嘘。
忘れた日なんて一日もない。
緑は迷わず言う。
じゃぱぱ「俺は覚えてる。」
真っ直ぐすぎる。
ずるい。
そんな顔で言われたら、否定できない。
「…だから何。」
必死で平静を装う。
じゃぱぱ「また一緒にいよう。」
その一言で、全部崩れそうになる。
なんでそんな簡単に言えるの。
こっちは、ずっと引きずってたのに。
「別に、あんたといなくても平気だし。」
じゃぱぱ「でも隣にいるな。」
図星。
悔しくて、唇を噛む。
「…勝手にしろ。」
それは拒絶じゃない。
俺なりの、許可。
じゃぱぱが隣に並ぶ。
歩幅を合わせてくる。
変わってない。
昔みたいに、自然に隣にいる。
「…会えて、ちょっとだけ嬉しかったし。」
小さく呟く。
聞こえてないと思った。
でもじゃぱぱは、少しだけ笑った。
じゃぱぱ「ゆあんくん。」
「なに。」
じゃぱぱ「今度は離さない。」
一瞬、胸がぎゅっとなる。
「意味わかんないこと言うな!」
叫んだくせに。
気づけば俺は――
じゃぱぱの袖を、ほんの少しだけ掴んでいた。
最悪な再会。
なのに。
どうしてこんなに、嬉しいんだろう。
END