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はじめまして!主さんの左右と自分の認識が全cp完璧に合致していて感謝感激雨霰です……最高すぎる作品たちをありがとうございます🥲💓これから密かに応援させてください🤝🏻応援しております!!
前回に引き続きr18
彼と付き合うまで自分は嫉妬や束縛の類をするたちではないと思っていた。
自己分析はそこそこ出来ていたつもりだったが、どうやら好きな人の前ではそうではなかったらしい。
嫉妬してしまうのは多分、 緋八がコメディアンで、 色々な人と話しているところがテレビやラジオで確認出来てしまうから。
彼は気を遣えて、天然の人誑しだから相手方がうっかり好意を抱いてしまったらどうしよう、と考えてしまうことが度々あった。
万が一そういうことがあっても緋八はなびかないだろうけれども。
まさか仕事に支障をきたすような束縛なんかは出来ないし、する気もない。
でも、画面の向こうにいる彼の頭の片隅に俺のことを置いておいて欲しくて。
彼を独占できる時間があるならその時だけは俺のことを考えていて欲しくて。
「マナ」
「んッ…あぁッ、らい」
名前を呼んで指を絡めるようにして手を握れば力の入らない彼の手が弱々しく握り返してきた。
「気持ちいい?」
彼に覆いかぶさるようにして背中越しにそう聞けば首を縦に振る。
「ッあ、あ、はぁッ」
体を密着させれば彼が時折小さく痙攣しているのが分かった。
漏れ出る掠れた声の色っぽいこと。
しっとり汗ばんだ肌の艷やかなこと。
彼の乱れた姿を眼下において、それを感じられるのが自分だけなんだと思えば優越感があった。
耳まで真っ赤な彼の頭の撫でる。
日々、彼と言葉を交わす時間を大事にしているけれど、 恋人同士だから触れ合える時間があるならそっちにも時間を割きたい。
だって、彼とどんなに仲が良い人がいたってこんな事は出来ないだろうから。
束縛、とまではいかないだろうけれども自分なりに考えて彼と自分を結び付けておける、他の人と彼が出来ない事がこれだった。
今日は前に会った時から随分日が経ってしまったから存分に抱くつもり。
細やかながら、そこそこ重い愛情表現だな、と我ながら思う。
もう一度背中にキスを落としてモノを再三、彼の中に沈み込ませた。
彼は毎回、こっちが思考困難になるくらい蕩けるまで抱いてくる。
それは今日もそうで。
「うぁッ…むり…もう、むり…」
ぼやける視界の端に映る彼に懇願するように声を発せば呂律が回らない。
全身を支配する甘い電流に体を震わせて力を入らない手で彼の手を握る。
「はぁ、ふぅ……じゃあ抜くね」
彼が引き抜かれていく感覚に余韻が引いていかない腰がビクつく。
やっとの思いで呼吸していれば体を正面に向かされた。
「明日はスーツ?」
「え…?…うん 」
「ちょっと跡付けていい?」
「……みえないとこなら」
彼は鎖骨の少し下あたりに顔を寄せた。吸い付かれる感触。遅れてキスマークをつけているのだと悟る。
「……うん。綺麗についた」
「…まんぞく……?」
「うん」
笑みを溢す彼。そっとキスしたところをなぞる仕草に安堵の表情が見え隠れしているような気がした。
もし自惚れてもいいのなら。
これは彼の独占欲からくる行動なのではないだろうか。
そう考えれば彼が久々に会うと自分を抱きたがるのも合点がいった。
緋八は目を細める。
もしも、今の自分の考えが合っているなら
そんな事しなくてもとっくに俺はお前の虜で、他に行くことなんてないのに。
口にはせず、代わりに彼の頭をそっと撫でた。