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自分で自分を終わらせる方法は幾つもあるらしい。
生まれ落ちる方法はひとつなのに、哀れだよね。
ふと君の声が聴きたくなった。
だから呟いてみたんだ。
君に向けて。
ー最高の愛を頂戴ー
君はあまりにも呆気なく死んでしまった。
眠っている君は人形の様で、今なら何をしても許されるんじゃないかって、価値観が可笑しくなってしまった。
君と出会わなければ、今の僕はいない。
でも、君と出会ってしまったから、今の意気地なしの僕がいる。
最低な僕が。
もう誰の声も聴こえることは無い。
微睡んでいく景色の中で、ふと君を見た。
「大先生、まだ寝とるんか?」
心配の二文字を貼り付けたような顔をした君は、僕の顔を覗いて聞いてくる。
君の顔は僕に影を落とすより青空に輝いている方が綺麗なのに。
「もうすぐトン氏に叩き起こされるで?」
むすっと少しの怒り顔と共にそう彼は言う。
でもそんなことどうでも良かった。
ブルートパーズを連想させる君のその綺麗な眼のせいかおかげか、僕は迷わず此処まで来れたのだから。
もう逃げる理由もない。
「 」
最後に言った君の言葉はまた聞こえなくなってしまう。
どうかまだ眠らないで。
永遠に、この愛を
その綺麗な瞳と明るい笑顔と、似つかわしくない煙草を手にした、貴方をまだ眼中に納めさせて。