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登場人物紹介
主人公は、結崎 紺(ゆいざき こん)冷静で、仲間思い。大学受験時には、不安から自◯を考えるほどだったが、サークルが生きがいですごく楽しそう。頭脳明晰で、1年の一学期中に、4年間の授業を修了したやばい奴。大学院決まってるらしい。
名 夢雪 輝 (ゆめせつ てる)年齢 20歳 紺の大親友。受験時の紺に優しく、声をかけ、紺の生きがいになった。文系で、成績は文系だけ入学から大学1位、2位。紺と、1位争いをしている。理数系は物理のみ得意。それ以外は学年最下位争い中。大学2年で、大学院決まった。結構ギリギリらしい。(文系と物理しかできないから)すごく仲間思いだけど、紺の秘密を誰よりも知っているらしい…裏も表もね
名 夜架 寿爾(よるか すに)年齢24歳この大学の名誉教授登場!興味のあることにだけ飛びつき、圧倒的な頭脳と論理的思考力で、ほぼ全ての関わった事案に良い結果をもたらす天才。寿爾にとって紺たちの研究は興味を惹かれるものだったため、自らこのサークルにはいった。すごくやさしい。物理と量子力学がとんでもなく得意。
名 メル 年齢19歳(らしい)性格 本当にわからないことだらけの奴。ただ仲間はすごくやさしく最善を尽くす。得意分野はデジタル。実は紺と、10歳くらいのときに、デジタル力をかわれて、警察のデシタル犯罪科に入った。ここでも大活躍。あとオカルトマニア。怪奇現象たちをAIといっしょに解き明かすことが好きらしい。紺と同じで、嘘が得意。見破れるのは輝と紺のみ。
START
桜が散ったばかりのキャンパスに、光の粒が漂っていた。
朝の空気はまだ冷たく、アスファルトの上で吐く息が白い。
その中を、結崎紺は静かに歩いていた。
手にはノートパソコン。背中には無数の付箋で膨らんだファイル。
通り過ぎる新入生のざわめきを、風が切り取っていく。
彼の視線はまっすぐ。何かを見ているようで、何も見ていなかった。
――その肩を、後ろから叩く手があった。
「おーい、紺。お前、また徹夜しただろ。」
明るい声。
振り向けば、夢雪輝がいた。
髪の先が光を跳ね、笑っている。眠そうな目の奥に、あの独特の熱が宿っていた。
「輝、お前こそ寝たのか?」
「んー、三時間。あと七分で完全回復の予定。」
そう言って輝は伸びをする。
春の風がふたりの間を抜けて、ノートのページをぱらぱらとめくった。
「で? 新しい理論、できた?」
「たぶん、形になりかけてる。」
「マジか。……“魔法”だろ?」
その言葉を、紺は少しだけ目を細めて受け止めた。
まるで、誰も聞いてはいけない秘密の合図みたいに。
通り過ぎる学生たちは、ただの大学生ふたりにしか見えない。
けれど、この瞬間から、世界の理は少しずつ軋み始めていた。
――魔法を“作る”物語が、静かに動き出す。
キャンパスの屋上には誰もいなかった。
ビル街の灯が遠くで瞬き、風がフェンスを鳴らしていた。
その音の中で、結崎紺はノートパソコンの画面を見つめていた。
ディスプレイに映るのは、数式と意味不明な文字列。
まるで祈りの呪文を数式に置き換えたような、奇妙な研究ノート。
「……ここが、始まりになるかもしれない。」
紺の小さな呟きを、風がさらう。
背後で、軽い足音。
「うわ、相変わらず殺風景だな、ここ。」
夢雪輝がフェンスに寄りかかりながら笑った。
「お前、花とか植えたら? 魔法の芽でも育つかもよ。」
「水やりが面倒だ。」
「知ってた。」
二人の声に、静かに割って入る柔らかなトーンがあった。
「花なら、僕の研究室で育ててるよ。」
振り向くと、夜架寿爾が立っていた。
白衣の裾を風に揺らし、手には温かそうな缶コーヒー。
教授バッジをつけたままなのが、どこか場違いで可笑しい。
「君たちの理論、少し見せてもらった。正直、荒唐無稽だ。」
「でしょうね。」紺が即答する。
「でも、あの“荒唐無稽さ”が、物理の穴を突いてる。」寿爾は微笑む。
「面白い。ほんの少し、現実を曲げる香りがする。」
その言葉の余韻が消える前に、屋上のドアがまた開いた。
青白い光を反射するタブレットを抱えた少女――メルだった。
その言葉の余韻が消える前に、屋上のドアがまた開いた。
青白い光を反射するタブレットを抱えた少女――メルだった。
イヤホンを片方外しながら、無表情で歩いてくる。
「遅れてごめん。AIくんが、ゴーストの出現確率を計算してて。」
「また幽霊の話かよ。」輝が苦笑する。
「違うよ。電磁ノイズの揺らぎ。見方によっては、幽霊みたいなもん。」
メルはそう言って、風の中にタブレットを掲げた。
その画面には、空を流れる電波のノイズが色で描かれている。
緑、青、紫――それは星空の下で、まるで“魔力の流れ”のように見えた。
「ほらね。世界はもう、魔法みたいなもんだよ。」
風が止んだ。
夜空の光と、街のノイズ、そして四人の呼吸だけが残る。
その瞬間、誰もが確かに感じていた。
この夜から、世界の理が“ひとつだけ”変わることを。
窓の外は、真っ黒なガラスみたいな夜だった。
街の灯も届かないほど高い階にある研究室には、
青白いモニターの光だけが灯っている。
メルは黙々とコードを打ち込み、AIが処理するデータを監視していた。
輝はホワイトボードに「魔法とは何か?」と書いたまま、ペンを回している。
寿爾は机に肘をついて、何かの計算式を紙に走らせていた。
そして、部屋の一番奥。
紺がモニターに向かって、ひとり静かに笑った。
「……見えた。」
低く、けれど確かな声だった。
彼の画面には、奇妙な文字列が浮かんでいた。
物理学の数式に、言葉のようなパターンが混ざっている。
英語でも日本語でもない。
“世界の構造そのもの”を、文字化したかのような符号群。
「紺、それ……なんの式?」輝が振り向く。
「言葉の構造を物理式に落とした。言葉は、意識の最小単位だから。」
「意識?」
「うん。――魔法って、“意識を現実に翻訳する装置”だと思う。」
その瞬間、部屋の照明が一度だけ瞬いた。
メルのAIが、警告音を鳴らす。
「ノイズ発生。異常なパターン……これ、外部からじゃない。」
「内部?」寿爾が眉を上げる。
「うん。こっちの世界の“中”から出てる。」
輝が紺の方を見る。
彼の目の奥が、一瞬だけ違う色に見えた。
それは光の反射だったのか、あるいは――。
「……成功だ。」
紺は、そう呟いた。
その声を聞いた誰もが、何かが始まったことだけは直感していた…
風が高い。
街の灯が遠くに霞んで、空は濃紺のグラデーションを描いていた。
フェンス越しに夜景を見下ろしながら、夢雪輝は缶コーヒーを片手にため息をつく。
「なあ、紺。」
声をかけても、返事はない。
隣にいるはずの紺は、目を閉じたまま、風の音に耳を澄ませていた。
まるで、夜そのものと会話しているみたいだった。
「この前のアレ、やっぱり何かおかしかったよな。」
輝は缶を置いて、少し身を乗り出す。
「メルのAI、あの日からデータが途切れてる。
寿爾さんも“論理の層が一枚増えた”とか言ってた。
……お前、なんかした?」
紺はゆっくりと目を開けた。
街の明かりが瞳に映り、銀色に光る。
「――もし、“現実”って、みんながそうだと信じてるだけのものだったら、どうする?」
「は?」
「俺は、その“信じる”って行為を、数式にしただけ。」
淡々と、けれどどこか遠い声。
「……お前さ、最近ちょっと怖いぞ。」
「怖くないよ。むしろ、ようやく“触れた”気がするんだ。」
紺は空を見上げた。
その指先が、宙に何かを描く。
見えない線が空を走るように、星の光がわずかに滲んだ。
「この世界の“裏側”にある構造体。
――それが、俺たちの探してる“魔法”の形だ。」
輝は言葉を失った。
ただ風の音だけが、二人の間を抜けていく。
その沈黙を破るように、屋上のドアが開く音がした。
メルが顔を出す。
「紺、やっぱり来てた。AIくん、またノイズ拾ってる。」
輝が息を呑む。
「どこの信号だ?」
メルは紺を見た。
そして、少しだけ微笑む。
「――たぶん、“ここ”から。」
風が強く吹き、フェンスの影が揺れた。
その一瞬、夜の空が、ほんの僅かに歪んだように見えた。
はい!!こんにちはー!!Kitsune.1824こと、
狐です。ちょっとハイテンションですね。ごめんなさい。長文失礼しました。
これめっちゃ疲れたけどめっちゃ良くない??
疲れたけど、いいのできたから、もう1話造るよ。やる気出たときに一気に作るからね。
じゃっ次回でお会いしましょう。ばいこん!