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「うきうきの元は、やっぱり矢代チーフなんだ」


「ちちち、違っ……」


アミの言葉を、大慌てで否定しようとするけれど、


「「違わないでしょ」」


どもり気味な私の心中をすっかり見透かしたようで、二人がそう口を揃えた。


「矢代チーフと、何があったの?」


ストレートにエミに問いかけられて、無言でふるふると頭を振る。


「まだ言えないってこと?」


なんにも口に出してはいないのに、アミが全てお見通しな風で話して、やっぱり私ってば顔に出ちゃってるのかなとほっぺたを両手で押さえた。


「ふぅーん。まだ言いたくないんなら、今は追求しないでおいてあげるけど」


頬を押さえたまま何も言えないでいる私に、アミがにっこりと笑って言い、


「だけどいつかは、ちゃんと美都自身の口から教えてね」


そうエミが後を続けて、同じようににっこりと笑って見せた。


こくこくと頷くと、アミに「楽しみにしてるからね」と、手の平でよしよしと頭を撫でられて、この二人にかかると本当にお手上げだなと実感をした……。



そんなことがあって、二人にもいずれは矢代チーフとのことを話さないといけないよねと、漠然と考えていた矢先──


「……ねぇ、美都。 ちょっと話があるんだけど」


エミの方から、ふと呼びかけられた。


「話って?」


来客と打ち合わせをして自分のデスクに戻って来たばかりだった私は、一体何のことだろうと訊き返した。


「あのね、矢代チーフのことなんだけど、」


「……矢代チーフ?」


言いにくそうな顔つきの彼女に、もしかしてあんまりいいことじゃないのかなと察する。


「うん、アミが聞いてきた話なんだけどね……、」


アミは、社外でプレゼンがあるからと、私が打ち合わせに入る前に話していて、もう出かけた後だった。


「うん、無理には話さなくてもいいけどって、アミには言われたんだけど……一応伝えておくね」


エミはそう前置きをすると、



「……矢代チーフがね、今度お見合いをするんだって」



「えっ、お見合い……?」


寝耳に水の話に、思わず身体が強張った──。


クールな上司の秘密の顔は、甘々溺愛彼氏⁉

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