「もう、この子は長くないです…
お力になれず申し訳ないですが…….
今の医療では完治は到底不可能です。」
そう言いながら
主治医は申し訳なさそうに頭を下げた。
隣に居たお母さんは
「どうしてあの子が…….」
と言いながら泣いていた。
お父さんは美守の主治医の胸ぐらを掴み
「他に方法は無いのか!?」
と声を荒らげた。
私は、突然のことに頭が回らなかった。
「美守が 死 ぬ?どうして?」
私たちはずっと一緒
今までも、これからも。
そう思っていたのに…….。
私はただ、立ち尽くした。
泣くことも無く
ただ自分の無力さを悔やんだ。
すると、どこからか声が聞こえた。
「花園美守を救う方法は一つだけあるよ」
私は、声のする方を向いた
「あなたは誰?」そう言いながら。
「僕はマリス
魔法少女育成担当の妖精だよ」
そう言って、猫のような
はたまたうさぎのような動物は
ぺこりとお辞儀をした。
「魔法….少女?」
アニメなどでは聞いたことはあるが
本当に存在していたのか…….?
そう思ったがそれどころではないので
一旦その話は置いた。
「美守を…….
お姉ちゃんを助けられるの…….?」
妖精は頷いた。
「僕はなんでも一つ願い事を叶えてあげる その代わりと言ってはなんだけど
魔法少女になって、魔王や
その使い魔と戦って欲しいんだ。」
と言った。
私は、少し疑いつつも
「分かった 私、魔法少女になる。」
と言って妖精を見た。
そして、再度口を開き、願い事をした。
「その代わり 美守の病気を治して…….!」
「契約は成立だ」
そう聞こえて
いつの間にか私の前には
カードが置いてあった。
そんな出来事はもう4年も前のこと。
私の願い事のおかげで
美守の病気は奇跡的に完治し
私達は2人で中学生になった。
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