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叶side
「葛葉と剣持は先に着いてるらしいぞ」
「もちさんも一緒なの?」
「そうやな、あとはりりむと……甲斐田?って人を待ってる。他にも連れてくるかもとは言われた」
人が増えるのか……とは、一瞬思ったけれど、甲斐田なら大丈夫だろう。それよりも、りりむが大丈夫なのかが怖い。除霊に神気纏い3名は……流石に大丈夫?でも、■■■■も神気を出していなかったはずだから大丈夫だろう。あ、もちさんも神気纏いか。
「にぃやんだ!あれ?なんか雰囲気変わってる気がする……」
「あ〜、気づいちゃうか……流石に」
「いや、ウチはわからんのやけど」
流石にりりむは気づくか、魔界の者として。久方ぶりの制御は骨が折れる。神気が増えちゃったからなぁ……。
「あ、もう感じれないよ!そこまで気を付けなくっても大丈夫なんだけどな〜」
「いや、りりむちゃんの体がこれから地獄になりそうだったから……」
「あ、遅れてすみません!」
「いや、元気よすぎてもダメだと思うよ?他の人のことを考えようね」
「お久しぶりです、甲斐田さんと弦月さん」
「あぁ……本当に記憶戻ってたんだ……。一気にまた輪廻が変わったと思ったら」
そういえば、輪廻の変わり具合に敏感なんだった、この人達。
「甲斐田晴です!桜魔で研究者やってます」
「弦月藤士郎です。桜魔の方では、官吏をしています。まぁ、真逆ですが」
「ヒント言っとくんだ?」
「別に困ることではないし。てか、やっぱり堕ちてるじゃん!ねぇ〜、藤士郎と葛葉さんのせいだって、これ」
僅かな変化で堕ちていると気づかれてしまったな……。気配の把握については本当に敏感だよ。だからこそ、研究者を続けていられるんだろうけども。僕にはあんまりできないかなぁ……。
「揃ったんなら早く行こ!まぁ、あの2人なら甘いものでも食べてるだろうけど」
「「「「確かに」」」」
「って、にぃやんその首の紋様何?」
「紋様?」
「イチイと黒薔薇の紋様が首の左側にあるよ」
「あぁ、それは呪いだよ?僕が死んだとしても、絶対に葛葉に見つけてもらえるように。僕も見つけられるように、葛葉にも同じ呪いをかけてるけど?」
呆れたような目線を喰らうが、気にしない。だって、葛葉は僕のだし、僕は葛葉の。この紋様は死によって発動するんだから。クールタイムがもう明けたんだなぁ……。
「葛葉は僕のだし、僕は葛葉のでしょ?僕らは永遠に互いを愛するんだよ?この呪いは死がトリガーだしさ?ちょうどいいでしょ」
「両方ともとてつもなく重いことだけは分かってるから。本当にあの後、葛葉の記憶の封印を施さないといけなかったんだからね?」
「リルリさんに迷惑をかけちゃったな……」
「ねぇ……、珍しく葛葉さんが神気をしまってないんだけど」
わぁ、本当だ。え、りりむ大丈夫そう?
「僕が守るし大丈夫だよ、晴くん」
「じゃぁ、入るか」
葛葉side
「なんか遅くね?」
「どうせ、甲斐田くんが遅れてるだけですよ」
「甘いもん食ってると思われてんだろうな」
「……しょうがないです。神気、しまわないんですか?」
あ”、忘れていた。まぁ、しょうがない。甲斐田が急に変なことを言い出すからだ。
「にしても、叶さんの記憶が本当に戻ったのでしょうか?」
「戻ってるだろ、あいつの神気も感じ取れるし」
「りりむさんに悪くないですか?」
「まぁ、甲斐田に着いてくる悪魔がなんとかするだろ」
「悪魔がなんとかできるんですね」
「天界に馴染んだ悪魔だしな?」
もう1人は記憶がないはずだから、悪魔の方だけが着いてくるだろう。本当にあの時に魂ごと消えてなくてよかったとしみじみ思う。消えてしまう可能性の方が高かったのだから……。
「僕の記憶も戻るでしょうか……」
「戻るとは思う。だが、厳しい道のりだとは思うぞ」
「そのぐらい、覚悟してますよ」