これは僕の罪。
最初からこうなる事は分かっていたんだ。
「元貴…大好きだよ、愛してる。」
「うん、ぼくも愛してる。」
君の温もりを感じるけど、
心は満たされない。
初めて会った時から、君の虜だった。
でも、すぐ分かった。
君の隣は僕じゃないって。
君の隣にはいつも彼が居た。
そして君もそれを望んでいるんだって。
だけど、彼等の想いはとても純粋で、儚くて、脆いもので。
壊す事なんて、とても簡単に思えたんだ。
「元貴、今日もうち来る?」
「…いや、今日は曲作りするから家に帰る。ごめんね。」
「そっか!頑張ってね。」
頭をポンポンと撫でると、気持ち良さそうにする仕草が犬みたい。
「じゃあ〜若井、今日ご飯行かない?」
「涼ちゃんごめんー。今日予定あるんだよね。」
…知ってる。
今日は彼が家に来るんでしょ?
さっきLINEしてたの見えてたよ。
「そっかぁ〜、残念!じゃあ、僕先に帰るね。」
笑顔を貼り付けて部屋を出た。
これが、
君の弱さにつけ込んだ僕への罰。
笑顔の裏でみんな大切な人達を傷つける。
それでも、君は僕の恋人だから。
それでも、
君を好きでは居たいから。
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