TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
シェアするシェアする
報告する

⚠️アメ日帝




戦時中のお話です。軽いキス表現あり。

























































とある街中の道路にて。

一台のFORDが、暗闇の中を走り抜けていた。


乗っていた男は運転しながら煙草を一本咥えて火をつけた。ふぅ…と立ち上る煙を横目で見送った後、とある人物の目の前で車を停めた。

サングラスをくいっと持ち上げ、片手を挙げて軽く挨拶する。



「Hey, Jap. How are you?

(やぁ、日ノ本。調子はどうだい?)」



挨拶された相手────大日本帝国は仏頂面を緩めることなく、視線だけ寄越して会釈した。

相変わらずの冷血漢だ、と肩を竦めてみると大日本帝国はピクリと眉を動かして、そっぽを向いた。

“冷血漢” と呼ばれるのが相当お嫌いらしい。


まぁわざとそう呼んでいるのだが。



「そんなに睨まないでくれよ。

あ、英語が分からないからつまらなかったのかい?(笑)」


「………..No way. I just don’t want to speak English.

(そんな訳あるか。私は英語を話したくないだけだ。)」



発音はまぁまぁ。だが外交で使うにしても申し分ないイントネーションだ。

敵対関係になる前はイギリスに教わっていたらしいが、その経験は今でも生きているらしい。


なら話は早い。



「それは悲しいなぁ。ま、別に良いけど」


「……用件を言え。くだらんことだったら叩き斬るぞ」



オレは悪態をつく大日本帝国との距離をぐっと縮めた。

少し面食らったような表情が新鮮で面白い。


警戒と嫌悪の瞳に、不安と焦りが入り混じる。しかしそれに構わず、俺は生意気な仔猫の耳元で囁いた。



「ッ米て──────」


「オレとランデヴーしようぜ。大日本帝国」



へ、と間抜けな声を出してオレを見上げる大日本帝国は、まるで迷子の仔猫のようだった。



































戸惑う日帝の腕を引っ張って無理やり車に乗せた後。オレ達は向かい風を受けながら、マンハッタンの夜景を展望していた。


キラキラと輝くビル群が珍しかったのか、大日本帝国の頬は興奮で火照っていた。

そうしていると、まるで本当の子供みたいだ。


自慢の箱庭を披露できて満足したオレは、ハンドル片手に助手席へと話しかけた。



「どーよ、オレの自慢の箱庭」


「何というか…キラキラしてて、すごい。」



夢心地のように語る大日本帝国に、オレはもっと嬉しくなった。


………..いやいや待て待て。オレが一喜一憂してどうすんだ、あくまでこのデートはオレがリードしてcoolにキメるんだろ!!しっかりしろ、オレ!


心の中でそっと気を入れ直すと、オレは気持ちを落ち着かせる為に煙草を一本手に取った。


すると。



「…………….」



じぃっと赤い瞳がこちらを見てくる。視線を投げ返してやると、大日本帝国は僅かな驚きを滲ませて口を開いた。



「煙草、吸うんだな」


「あ、嫌だったか?嫌なら消す」


「いや別に。俺も吸わない訳では無いからな。

ただ意外だっただけで」



へぇ、真面目な石頭の此奴でも煙草吸うんだな。

….まぁ確かにそれくらいの娯楽が無きゃ、この殺伐とした世界ではやっていけないだろう。

血飛沫舞う戦場に長らくいると、いつか戻れなくなりそうだからな。



「オレが煙草吸うの、そんなに意外か?」


「お子様舌のお前は「そんなもんよりアイスの方がいい」とか言ってそうだったからな」


「そこまでkidじゃねぇよ!!」



フッと腹立つ笑みを浮かべる大日本帝国に、オレは少し仕返ししたくなった。


………..あ、そうだ。仕返しなら “イイこと” があるじゃないか。



「おい、ちょっとこっち向けよ」


「何だ急に。まさかお子様のあそ、び……ッ!?」



道路の端に車を停めて、桜色の唇を無理やり奪う。くぐもった声を漏らす日帝の腕を押さえつけて、少し長めに口付ける。


口を離した後によく見てみると、から紅の瞳に、欲に満ちたオレのCrazyな表情が鮮明に映し出されていた。

………..舌とか入れたかったし、もっとやりたかったけど今回はここまでにしておくか。



「ッ、….~~~~!?!?きさ、ま……っなにをぉ…..!?」


「HAHAHA, 純粋な仔猫chanには刺激が強すぎたかな?」



顔を真っ赤にして涙目になっている大日本帝国と、満足そうに笑うオレ。

傍から見たらすごい対比だろう。というか小児愛者の変態野郎として通報されかねない絵面だ。


だが、その時のオレはそれでも構わないと思った。



「なぁ、もし戦争が終わって平和な世の中が訪れたとしたらさ」



未だ真っ赤な顔をしている仔猫の手を取って、語りかける。


そうだ、これはオレのホンネ。

もし良かったら受け取ってくれると嬉しいな。



「その時は………..その時は、またこうして迎えに来てやるよ。」



ちゅ、と軽いリップ音が静寂を破った。


……はは、ちょっと手の甲にKissしただけなのにすげぇ真っ赤。コイツ絶対モテなさそうだし経験もないんだろうなぁ。


まぁオレが教えていけばいいんだけど!



「んじゃ、またな〜!


──────────── “日帝”。」





















その後、戦争が終わった後に一組のカップルが成立したのは、言うまでもないだろう。










𝑒𝑛𝑑───────────♥♡

この作品はいかがでしたか?

1,225

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚