テラーノベル
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※誰も喋って無いです
「多元宇宙」。
擦られすぎてもう大きくも凄くも思えなくなってきた単語。
私……King multiverse!sansは、その多元宇宙とやらの王を担っている。
名前の通りだ。
私は王として、ほぼ無限とも言えるであろう、全てのAUの模範となるために、日々規則正しい生活、礼節を忘れず、ストイックすぎず、常時頭を回転させて仕事に励み、AUへの定期的な見回りも忘れず、いざ民達で収拾がつかないような大規模なテロ、「Destroyer」の称号を持ったAU達による破壊活動が行われた時のために、私自身も訓練に励み、部下も鍛え、感情に振り回されずに如何なる時も余裕をもって接し、何事も対話から始めることをモットーとしている。
そして、よくAUの住民達は、私の行動と生活をよく感心していると同時に、とても心配もしてくれる。支配者冥利に尽きるというものだ。
……..しかし、だ。
私は完璧超人でも完全無欠でも全知全能の王でもない。
私にも出来ないことは恐らくあるだろう。
そう、私を唯一苦しめる…….というより、私が乱れる唯一の要因。
彼がError404!sansだ。
私とは違い「自称」多元宇宙の神、行動も発言も基本碌でもない、フラっと来てはフラっと帰り、時と場所を考えず卑猥な事は言うし、私に絡んでくる。しかし、どうしようもなく悔しい……というか厄介な事に、彼は「強い」。
私でも一筋縄ではいかないどころか、単純な力量で言えば彼の方が高いと言っても良いだろう。
そんな404に対して、何が一番困るか。
アイツは…….どこか無邪気さを感じるんだ。
彼の過去を見れば、まるで気が狂わない方がおかしいような地獄の様な経歴だが、しかし彼は狂っていない。
いや、見方によっては狂っていると感じる者も居るかもしれないが、ここは狂っていないことを前提として話を進める。
第一、私と404の関係は、創造者と被造物だ。
私は作られた…..というか、改造された王であり、本来404は創造主。
別に創造主だからもっと威張れとは言わないが。
無邪気というか、逆に自分に対する危険にあまり関心がないというか….
恐らく、それは私が前述したように、彼が「強い」からなのだろう。
404は、おおよその敵は一瞬で仕留めるし、大体のタスクも放り投げることの方が多いが弟に頼まれたら光速で仕上げる。
その様に、どちらかと言えば防御が薄いという事なのだろう。
そして次に、私の前でもそれは変わらないという事。
別に私たちは険悪という訳でも無いが、無防備が過ぎるというものだ。
よくもまぁ、私に広げた足を向けて、私のベッドに寝転がれることだ。
別にそれ自体は構わないのだが、もし、もしもの話だが、
アイツに欲情するような物好きが居たとして、アイツはその物好きの前でも、変わらない態度を取るだろうという事だ。
無防備云々は私の目が届く範囲のAU内なら全く問題はない。
しかしだ。
これも本来あり得ない事だが、Mainframeレベルのセキュリティが固い空間を持っている者がいたらどうする?
私も簡単に入ることはできない。
入ることは出来ても、恐らく見つけることはかなり難しいだろう。空間操作系の能力を持っている物なら余計厄介だ。
それにアイツは、人を簡単にからかう良くない癖がある。
図体は私より少し小さいくらい(つまり186cm)の癖に、どうもやる事が子供っぽくて….危なげがある。
もしそれを挑発や誘惑だと感じ取る輩もいるかもしれないだろう。
それが大変危険だと、私は思う。
…..という訳だDelta、Abyss。
404周りの事ももう少し調べてほしい。それが終わったら、今日は帰ってくれて構わないよ。
……..ん?私が404を意識しすぎている?
私が404に対して特別な感情を持ってるんじゃないかというのは、もうAU内で結構広まってる噂?
はは、君たちも面白い事を言うんだな?
(恋とまではいかなくても無意識なKingっていいよなぁって。 Byからあげ)
コメント
12件
めっちゃ好きだこれ
第2話「無意識」、じっくり読ませていただきました。 Kingが404に対して抱く気持ちの描き方が絶妙ですね。「無意識」というタイトルが本当に合っていて、自分では認めたくない特別な意識が台詞の端々から滲み出ている感じがたまりませんでした。 特に最後の「はは、君たちも面白い事を言うんだな?」の強がりに、彼の複雑な心境がぎゅっと詰まっているなあと。からあげさんの後書きにも激しく同意です。続きが気になります!