テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「ねえ、涼ちゃん。」
「なに?」
「おれ、最近気付いた事があってさ。」
「うん、分かる。」
「いや、まだ言ってないから。」
「いや、分かるよ。」
「え、じゃあ言ってみてよ。」
「元貴さ…」
「まじで分かってるやつやん。」
今日は一日スタジオに缶詰の日。
みんなそれぞれの役割をこなして忙しくしている。
そんな中、二人はサポートメンバー達と話している大森を目で追いながら謎の会話を続けていく。
「もしかしなくてもだけどさ。」
「そうね、僕たちライバルだね。」
「やっぱり?」
「でも、元貴は僕の方が好きだと思うんだよね。」
「いやいや、気のせいだから。」
二人の視線に気が付いたのか、トコトコと大森が近寄ってきて、ごく自然にと藤澤の腕に手を回してきた。
「なんの話してんのー?」
「なんでもないよ。ただの世間話。」
藤澤の答えに納得してない様子の大森は少し口を尖らせ、今度は若井の腕に手を回す。
「ほんとにー?」
「うん、世間話だね。」
「ふーーん。」
やはり納得のいかない様子の大森は、拗ねてサポートメンバーの方に戻っていった。
「ほらね。」
「なにが?」
「最初に僕のところに来たでしょ。」
「そんなの誤差です。」
二人は近くのソファーに腰掛ける。
「ねえ、あれはダメじゃない?」
「良くないね。」
「これ以上ライバルは、」
「いらないです。」
二人の目線の先には、サポートメンバーの膝の上に座っている大森。
「しばらくはさ、僕たちで管理していくのはどう?」
「そうしよ。」
「「元貴〜~」」
「なにー?」
大森はまたトコトコと二人のところに来ると、今度はソファーに座っている二人の間にグイグイと無理矢理座った。
「いや、ごめん。別に様はないんだけど。」
「なにそれ。まあ、いいけど。」
そう言うと、大森は藤澤の膝に頭、若井の膝には足を乗せ、掛けていた眼鏡を若井に渡すとそのまま目を閉じた。
「ちょっと一段落ついたから寝る。」
そしてしばらくすると、スースーと規則正しい寝息が聞こえてきた。
二人は大森を起こさないように携帯を取り出す。
『ほらね』
『誤差』
『僕は頭だから』
『…おれは眼鏡預かってるし』
藤澤がチラッと若井を見ると、心做しか悔しそうな表情をしている。
『寝顔の破壊力やばいよ』
そんな若井をさらに煽る藤澤。
『うるさい』
『ま、今日は僕の勝ちってことで 』
『明日は勝つ』
「ねえ、なにコソコソやってんの。」
声をした方を見ると、大森が目をぱっちり開けて二人を見ていた。
「このアングル尊い。」
「ムカつく。」
「???」
「僕、明日も頑張れるわ。」
「明日はまじで負けないから。」
「ねえ!さっきからずーっとなんの話してるのさ!」
-fin-
コメント
2件
可愛い〜!! 甘えてるもっくんももちろん可愛いけど、もっくんをかけて静かにバトってる2人が可愛すぎます…♡