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夜。部屋の中は、カーテンを閉めきったまま、ほの暗い明かりだけが灯っている。
――静かで甘い時間だった。
夢魔とすかーは、ソファの上で緩くネグを抱きしめる形で座っていた。
さっきまでの優しいスキンシップが終わり、少し休憩を挟んでいたところだった。
けれど、ふと。
ネグが小さく笑った。
「ふふ……」
それだけで、2人はすぐ反応する。
「ん? どしたん?」
「何が可笑しい?」
すかーと夢魔が揃って問いかけると、ネグは軽く身を起こして――今度はネグの方から、2人に手を伸ばしてきた。
「……お返し。」
その声は、いつものネグより少しだけ甘えたようで、それでいて意地悪そうだった。
•
ネグは、すかーの手首を掴むと、そのままガブッと甘噛みした。
指先を軽く舐めるようにして、唇を滑らせる。
「……あっ……」
すかーは少しだけ驚いた声を漏らしつつ、すぐに表情を崩す。
「お前……ほんま、油断ならへんわ……」
ネグは構わず、今度は夢魔の首筋にも、同じように舌を這わせた。
夢魔の細い喉がピクンと動く。
「……ネグ……急にそういうことされると、困る。」
「ふふ……やられたら、やり返さなきゃでしょ?」
ネグは無邪気な声でそう言いながら、夢魔の耳たぶに軽くキスを落とした。
•
そして――
また、さっきの続きをするように、すかーと夢魔はネグの身体を優しく抱きしめ直した。
今度はさっきよりもさらに甘く、深く。
「……んっ、や、ぁ……」
ネグの口から、小さくて震える声が漏れる。
その声は、夢魔とすかーにとってたまらなく愛しいもので。
「ネグ……声、我慢せんでええんやで。」
「もっと聞かせて。」
そう言って、優しく撫でる手も、キスを落とす場所も、どんどん増えていく。
•
何度も、何度も。
「も、無理っ……」
ネグは息を詰めるように、声を震わせながら言った。
顔は赤く染まっていて、少し涙すら滲んでいる。
「無理って、言ったのに……」
その姿があまりにも可愛すぎて。
夢魔とすかーは目を細めながら、ネグの髪を優しく撫でた。
「ごめん、ごめん……でも、もうちょっとだけ。」
「ネグが可愛すぎるから、しゃあないやろ。」
•
しばらくして。
ネグは完全に力が抜けたように、2人の腕の中で眠ってしまっていた。
肩を小さく上下させるその寝息は、穏やかで――6ヶ月前には考えられなかったような、柔らかい寝顔だった。
「……寝たな。」
「……ああ。」
2人はソファの上でそっと身体を寄せ合い、眠るネグの頭や髪を優しく撫で続けた。
その手つきは、とても静かで、とても優しかった。
「……ネグ、おやすみ。ずっと一緒やからな。」
「もうどこにも行かへんで。安心して、ええからな。」
そう静かに囁きながら、2人もまたネグに寄り添うようにして、ゆっくりと目を閉じた。
夜は静かに、甘いまま――しばらくの間、流れていった。
また朝が来るその瞬間まで、ただ穏やかに。