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鬼塚は余を倒したあと余の手下を皆殺しにすると言っていた。つまり、同じことを余がしてもいいということだよな? 士気の上がらない味方の援護などいらぬ。余一人で二千人の敵の中へ突入した。
あたふたする敵を次々に吹き飛ばす。吹き飛ばされた敵が次々に海に墜落していく。
「気持ちいい! まだまだ戦いはこれからだ。No War No Life! もっと強いやつはいないのか? 余をもっと本気にさせてくれ!」
敵陣に突入して五分も経ってないのに、真琴に制止された。
「陛下、ここまでです」
「なぜ止める? 誰も殺してはいないぞ!」
「敵が降伏しました。お戻りください」
ふと辺りを見渡すと、余が銃を持っているわけでもないのに敵の全員が両手を上げている。
「救護班、出動!」
真琴が号令すると、担架と救急セットを持った男たちが慣れたようにケガ人たちのもとへ向かった。
「いつの間に横浜デビルの中にこんな組織が?」
「陛下がやりすぎたときのために用意しました。たいていやりすぎるんですけどね」
やりすぎも何も、全然やりたりない!
という余の思いは徹底的に無視されて、戦いは終結した。
「それにしても、下の者たちの士気が低すぎないか」
「総長が強すぎる弊害ですよ。ピンチになってもどうせ総長が出てくれば勝てると思っている。それも総長を遠征に連れていけない理由の一つです」
「余は何もしない方がいいのか?」
「夏の最後の思い出に明日花火大会でもしますか?」
と徹也に提案されて了承したが、横浜デビルはもうダメかもしれないという思いはその頃から芽生えはじめた。