「君の名前2」
新2-5の教室のドアを開けるとそこには…………
学校1のイケメンハン・テサンがいた。
大きな人の塊の心中にいた背が高く美形でひときわ目立つ。
僕の学校生活終わった…
そう絶望しているとハン・テサンと目が合った。
彼はニコッと笑みをこぼしこっちをみていた。
後ろには誰もいないし僕に対してなのか?
そう半信半疑のまま誰に向けてかも分からないが軽く会釈をした。
席につくか。
そう思って自分の苗字ぐらいの席を探したがどこにもなかった。
どこにあるんだ?
探しても見当たらない。仕方がなく黒板に貼ってある席をみることにした。
すると僕の席は右から6列目の1番後ろの席だった。前の席の人の名前を見ると見覚えのある名前だった。それが
ハン・テサン…
僕の前はハン・テサン。ふと後ろを見ると、ハン・テサンの周りには人が集まりかえっている。
僕はその後ろだから僕の席まで埋まってしまっていた。
どうしよう…座わりたいけどあの陽キャ軍の中に突っ込む勇気がない…
僕がナヨナヨしていたら、ハン・テサンがそれに気づいたのか、
「もう座ろーぜ、周りの席の奴ら困るし」
そう彼が言うとまるで魔法にかけられたみたいにみんな自分の席をへ戻っていった。
すると彼がこっちをみて話しかけてきた。
「なんかごめんね💦」
「あ、いやお気になさらず」
ほんとはお礼を言いたかったが人見知りが発動し言葉に表せなかった。
人見知りが発動してしまった…
そう思いながら席に座ると、彼も自分の席に座ったかと思いきやこちらを勢いよく向いてきた。
「なー!ソンホ!」
「え?」
びっくりした。まさか僕の名前を知ってるなんて。ウナガとイハニ以外から名前を呼ばれたのは久しぶりだった。
「なんで僕の名前知ってるの?」
「え?!そ、それはーあ、あれだよ!前後の席ぐらいのやつは覚えるよ、!」
「そーなの?なんか嬉しいな//」
前後の席だとしても僕の名前を覚えてくれたことが凄く嬉しかった。
「テサン君って思ってたよりいい人だね」
そう本人に伝えると本人はびっくりしたような照れたような表情を浮かべた。
なんかびくっりしたこと行っちゃった?
そう焦っていると
「お、俺の名前知ってるの?」
と彼は問いかけてきた。
え?待って、そっち?つい僕はテサン君に対して偏見を持っていたことじゃなくて、名前の方なのね。
てか知らない人のほうがレアだよ。どこに行っても君の名前が耳に入る。
それにもう忘れてるかもだけど前にゴミ捨て手伝ってくれたし。
「知ってるよ。君を知らない人のほうが少ないよ。それに忘れてるかもだけど、前ゴミ捨て手伝ってくれたし」
そう答えると彼はなぜか頬をほんのりピクンにさせ口元を手で隠していた。
そんなにびっくりしたのか?陰キャの僕でも覚えていたから?
「どうしたの?」
そう聞くと彼は我に返り慌てて答えた。
「あ、いや!俺の名前知ってくれてて、ゴミ捨て手伝ったことも半年以上前なのに覚えてくれててよかったと思って、!」
よかった?何がだ?やっぱ陽キャの考えることはわからないや。
とりあえずあいさつしよう。
「これから1年間よろしくね」
「うん!よろしく」
少し遅いあいさつをし手を差し伸べると彼はその手を優しく握り返した。
チャイムが鳴り1時間目が始まった。
先生のかるい自己紹介が終わり何をするかと思いきやあと約一ヶ月半後にある体育祭に向けての話があった。
僕にとって体育祭は良かった思い出がない。
僕は走るのも普通、強いて言うなら力がある。綱引きだけはもってこいだ。それ以外はペーペー。
それに比べてテサン君はすごいと聞いたことがある。
足は学年1速く何でも卒なくこなす。スポーツマンだ。
僕が勝つものと言えば勉強しかない。
そう彼は勉強は学年1位をキープしている優等生だ。
それに比べてテサンは下から数えたほうが早いくらい勉強は苦手。
てか勉強まで上だったらもう僕勝ち目ないよ。良かった勉強だけはできて。
でも今回は体育祭。間違いなく頭はあまり活用されない。
そんな事を一番うしろのせいでもじもじ考えていると
「はーい!みなさーん!これからみんながでる種目を選んでくださーい!」
と元気な担任の声が響いた。
今回2年がでる種目は全部で5つ。
まず全員参加のクラス対抗リレー、2つ目は障害物競走、3つ目は借り物競争、4つ目は玉入れ、そして僕が唯一得意としている綱引き。
この5つとなる。その中でリレー含め2つでないといけない。
僕の学校は特殊でそれぞれの学年のクラスに別れて競う。
僕の学校は5組まである。それぞれ5色に分かれる。赤、青、黄、緑、白の5色。
どの色になるかは各3年のクラスの団長がくじ引きで決める。
色は何色でもいい。だけどその色のはち巻をするから似合う色であってほしい。
そう思っていると担任が言った。
「クラスの人数の関係上5組が誰か3つでないといけないみたいなのー💦」
「誰が3つでてくれる人いない?」
そう担任が言ったが誰も手を挙げない。
そりゃー練習が増えて大変だろう。僕もやりたくない。
クラスがザワザワしていると一人が手を挙げた。
「せんせー!俺やるよ!」
そういったのは僕の前の席のハン・テサンだった。
「じゃーお願いしてもいい?」
「大丈夫ですよー!」
「ありがとうね!助かるわ!」
「じゃーみんな何に入るか決めてー!」
そう言い担任はでたい種目の希望を取っていった。
「じゃーこれで決まりてね!」
「はーい」
借り物競争にでたい人が多すぎて少し時間がかかったけど何とか決まった。
僕は全員リレーと希望通り綱引きにでることになった。
キーンコーンカーンコーン
「ありがとうございましたー」
1時間目が終わるとテサン君の周りには人がたくさん集まった。
僕はそれから逃げるように教室を出ようとした。すると、
「おー!ソンホー!」
と元気な声が響いた。
「やーウナガ!イハニ!」
それは心の友のウナクとイハンだった。
「新しいクラスどう?」
「テサン君と席前後で話たんだ」
そう言うと2人はびっくりしていた。
「やー、イハニ…とうとうソンホから俺達以外の名前を聞いたよ…」
「うん、き〜た…」
「やー!ソンホ嬉しいよ俺達! ワシャワシャ」
「や、やめろよー」
僕が彼ら以外の名前を言ったのが嬉しかったのか勢いよく頭を撫でてきた。
「で?どうだった?」
「え?どうだったって?」
「ハン・テサンと話してみてだよ!」
何かと思えば話してみた感想ね。
「思ってた以上にいい人だったよ。」
そう言うとなぜかウナガは悔しそうに言った。
「くそ〜…顔も良くてスポーツもできいいやつだと?!ずるい…」
「でもウナガは可愛いから!ヨシヨシねーイハニ」
「そうそう〜ウナガは可愛いから優勝〜!」
彼の頭を優しく撫でイハニとウナガを励ました。
するとイハニが僕に聞いてきた。
「てか、ソンホは体育祭何でるか決まったー?」
「あ!そうそう!それ聞きに来たんだ!」
「決まったよ!リレーと綱引きに出るよ!」
そう彼らに伝えると彼らは納得したような表情を浮かべた。
「だよね〜ソンホ綱引きめっちゃ強いしね〜」
「2人は?何にでるの?」
そう聞くと、
「僕はリレーと障害物競走だよ〜」
「俺も同じー!」
障害物競走か。珍しいな2人とも。絶対練習が楽な玉入れか綱引きだと思ってた。
「2人ともなんか意外だね笑綱引きか玉入れかと思ったよ」
「僕たちもほんと〜はどっちかが良かったけど障害物競走人足りなくてでることになったんだ〜」
「そうそう…練習が楽な綱引きか玉入れが良かったけど…断れなかったしそーなったってことよ!」
「ちなみに障害物の何にでるの?」
「それが…」
僕が何でるのか聞いた瞬間二人の顔が曇った。
もしかしてと思ったがそれが的中した。
「僕たち2人で二人三脚をすることになったんだ…」
「だと思ったよ笑」
なぜ2人がそんなに顔を曇らせて言ったかと言うと……
1年の頃、僕達は綱引きに出ることになっていたが、体育祭の前日の朝、担任の先生に僕たち3人は呼ばれた。
何かと思ったらこう提案された。
「あのね、二人三脚にでる予定だった子がインフルで来れなくなったらしくて、もう一人の子もうつっちゃったらしくて…だから綱引きから誰かでてほしくて…」
「でも皆に声をかけても部活動生が多くてみんな厳しいって…」
そう僕たちの学校は体育の時間、そして放課後にも練習がある。
部活動生は部活もあるため忙しくなる。
「だから部活入ってないの3人くらいだからどうかなって思って…」
どーしよう。こんな先生を見ていると断れない。
そう僕が考えていると隣のウナガが、
「ねね、俺とイハニででるのはどう?ソンホ委員会あるし大変でしょ?」
そう。僕は環境委員に入っていて夕方の花壇の手入れをしないといけなかった。
「ほんと?ありがとう。イハニはどう?」
「ん〜?僕はい〜よ〜でても〜!」
「じゃぁ決まりな!せんせ!俺とイハニが代わりに出るよ!」
「ほんと?!うれし〜!じゃぁお願いします!」
「はーい!」
そう言って二人三脚はこの2人ででることになった。
それまでは良かった……
試しに走ってみよう!となって二人三脚をしてみたがいいけど…
「じゃあーいくよ?よーい…どん!」
「あ、ちょ俺は左から出すからイハニは右からだろ?2人で左だしても進まないよ!笑」
「そだった〜笑も〜1回!」
そう言って練習を重ねたがなかなか息が合わずめちゃくちゃ苦戦した。
本番当日も息が合わずゴールするのに一苦労だった…
だから2人は二人三脚と聞くとその思い出を思いだしていた。
「俺達本当にできる?去年やばかったよね笑」
「ね〜…まぁ〜頑張ろ〜!」
2人は肩を組お互いにたたえ合っていた。
その2人の姿がなぜか可愛くて、2人の頭を撫でた。
「おわ!なんだよソンホー!」
「いや笑なんか2人が頑張ろうとする2人が可愛くて笑」
「なにそれ〜笑」
「でも頑張ってねチーム違うけど応援してるよ!笑本番は上手くいくことを願っとくね笑」
そう2人に言い別れを告げ席に戻った。
やっぱり二人といると変に気を使わなくていいし楽しいや♪
と思っていると、
「ねーさっき話してた人誰?」
とテサン君が聞いてきた。
見てたんだ。びっくりだ。
「僕と仲が良い友達だよ。」
「ふ〜ん」
そう彼に伝えるとなぜか彼は不満な顔を浮かべた。
「そーいえば、ソンホは何にでるの?」
「僕?僕はリレーと綱引きにでるよ。綱引きだけは自信あるんだ👍🏻」
そう彼に伝えるとさっきまで不満な顔が消え笑顔になった。
「綱引きに自信とかあるんだね笑ソンホって面白い笑」
「そ、そうかな?」
今まで面白いなんて言われたことがなかったからちょっと照れくさくてくすぐったくなった。
「とろこでテサン君は?3つもでるんでしょ?」
「俺はリレーと借り物競争と障害物競走に出るよてー!」
うわ、全部走る系だ…大変だな…クラスのために3つも引き受けてくれたんだ。頑張って欲しいな。
「そーなんだ!頑張ってねニコッ」
そう。あまり笑顔を見せる機会なんてあの2人以外になかったが頑張ってほしいと思い自分なりのエールを送った。
すると彼は顔を手で隠して耳を真っ赤にさせた。
「はぁ〜まじソンホってずるい……ありがとう。まじで頑張れる」
「ほんと?それならよかった」
気合が入りすぎて赤くなっちゃったのかな?
なぜ彼が耳を真っ赤にさせてるか分からなかったが彼はなぜか気合が凄く入っていた。
次の授業は委員会ぎめ。
去年と一緒で環境委員に入ろうかなと思っていた。
キーンコーンカーンコーン
すると始まりのチャイムがなった。
僕は姿勢を正し問題の誰と入るかを悩んでいた。
この後僕は予想外のことになるとは知らず…
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