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私、産屋敷耀哉には従兄弟がいた。
産屋敷家の娘は14までに結婚して、苗字を変えないと呪いで死んでしまう。しかし法が新しくなり、それまでに嫁に出すことが出来なくなった。
そこでお祖父様が娘、私の叔母様にあたる人を養子に出し、苗字を変えた。
養子に出したら呪いはどうなるのかなどの、実験の意図もあっただろうが、生きて、あわよくば家族を作り、幸せになってほしいと言う父としての思いもあったのだろう。
初めての試みだったが、叔母様はそのまま生きていった。夫を持ち、子も作った。
産屋敷家の人間としての役割も理解しており、表立っては出来ないので回数は多く無かったが、定期的に鎹烏を通して報告もしていた。
夫は早くに死んでしまうがもしれないと説明しても了承し、それでも君を愛し、子も彼女の分も育てくれると言う、強く、優しい人だったらしい 。腕のいい医者で、未来に向けお金を貯めていった。
そして2人の間に子が生まれた。男女の姉弟だった。
当時の当主だったお父様と相談し、姉弟が10歳になるまでは産屋敷家の事と、その呪いについては秘密にすることになった。
しかし、叔母様と叔父様はその前に病で亡くなってしまった。
10にまだ近く、しっかりとしていた姉には死ぬ前にと話したそうだ。ただ、姉と歳が離れていて幼く、甘えたな性格であった弟には話せなかった。
私達、産屋敷家は2人の死は呪いのせいかもしれないと、今まで以上に2人に関わるようになった。
鎹烏での文通は亡くなってしまった2人としていたが、姉に継承し、より頻繁にするようになった。
弟は何も聞かされていないし、まだ難しかったので姉伝いに手紙交換としてたまにするぐらいだった。
それと、私たちからは行けないので、たまに館に招待し実際に会うようにした。 私もお父様と一緒に2人と関わるようになった。
2人と歳が近かったこともあり、兄弟のようになっていった。
時期当主として厳しく育てられてきた私にとって、2人は数少ない幼子としての面を見せれる相手だった。
姉の方はしっかりしていて、私も頼れる姉のように思っていた。
弟の方はドジで甘えた、泣き虫の素直な子だったのもあり弟のように思っていた。
2人とも実の兄弟のように出してくれた。
姉の方は私の立場を知っていたが、たくさん甘えさせてくれたし、敬語もなく、呼び捨てで接してくれた。
弟の方は、お兄ちゃんと無邪気に呼んでくれて、とても嬉しかった。
ただ接していくと、姉は大丈夫だか、弟は年に数回、1日で治るよくわからない高熱などで寝込むらしい。
それに、弟の方が多いらしいが、これは危ないと感じた事はほとんど、他の人がして怪我をしているらしい。
それに加え、2人とも私達のように特殊な声を持っている。
お父様はこれから、呪いは薄くなっているが、産屋敷家独特の特性はしっかり受け継がれていると考えた。男子に生まれたからか弟には特に強く。
2人の様子に注意しつつ、2人が楽しく、幸せに暮らせるように、手助けをしていった。
そして、姉が祝言を挙げることになった。
しっかり自分が短命かもしれないこと、などを話し、認めてもらえたらしい。
弟も10になったので、心から喜んでもらえるように祝言が終わって少ししてから話すらしい。
そこから、急に連絡が取れなくなった。
お父様の呪いも末期にまで進行してしまった。
私はそろそろ当主になる事な焦りと、あの姉弟の事が心配で不安定になっていた。
そんな中、冷静に2人の情報を集め、私のことを慰めて下さったお父様は本当に凄いと思った。そして、お父様にこんな状況なのに迷惑をかけてしまった自分が嫌になった。
そんな中集まった情報は、さらに私を追い詰めた。
姉が祝言直前の夜に鬼に襲われたと言う。
弟がそれを見ていて、後から来た親戚に話したが信じてもらえず、最終的に精神病院に連れて行こうとしたと言う。
弟がその移動中、走行中の電車から飛び降りたと言う。
その親戚は、父が子供達に残した遺産を狙って奪い合いをしていたと言う。
私は絶句した。
今まで弟を1人で、ほとんど人に頼れずに育ててきた。
そんな中、やっと見つけた間近で頼れる好いた人。その人と幸せになれるはずの前夜に襲われた。どれだけ悔しかっただろう、悲しかっただろう。
今までで一番近くにいた人が幸せになるはずの前夜に、鬼に食われていくのを見るしか無かったのはどれだけ悔しかったろう。
頼れると思った人達に信じてもらえず、逆に気狂い扱いされ、親が貯めてくれた遺産を狙っていると知った時は、どれだけ悲しかったろう、悔しかったろう。
私には想像も付かない。
その中で弟は耐えた、先見の明で分かったのかもしれない。このまま連れていかれると本当に狂ってしまうと。 だから逃げた。
ただ、走行中に飛び降りたのだ、死んでしまっている可能性の方が高い。
それに、これが分かった時には全てが遅すぎた。もし生きていてもどこにいるのか分からない。
弟は鎹烏の使い方も分からず、継承もされていなかったから鎹烏も頼れない。
私はただ、弟の無事を祈ることしかできなかった。
そしてしばら経ち、お父様がついに亡くなってしまった。
亡くなる前は私に婚約者を紹介された。当主になる者は、神に仕える一族から嫁を取らないと呪いが進行しすぐに死んでしまうからだ。
妻、あまねは不安定な私を支えてくれた。柱の方々も心配し、気遣ってくれたが私は鬼殺隊当主、隊士に弱い面は見せられない。とても助かった。
そこからもうしばらく経ち、仕事が落ち着き余裕ができてきた。
最終選別の結果を見ると、1人を除き全員が合格していた。その中に1人、ずっと探していた名前があった。
最終選別合格者
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富岡義勇
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村田〜〜
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死亡
鱗滝錆兎