──────いえもん視点──────
数度瞬きする。先程までの小さいな景色ではなく、目全体に景色が映りだす。
どうやら体の所有権が俺に戻ったようだ。手を握ったり広げたりしながらそんなことを思う。
先程までの情報が一気に頭に流れてくる。結論だけ言うならばれいまりさんは協力してくれることになった。記憶操作では無いことは少し予想外であるが、結果、そうなるのならばよいだろう。
そんなことを思っていたら、ノックもなしにドアが開く。まあ、俺の部屋では無いがノックぐらいはするべきだろうと思う。
部屋に入ってきたのはこの部屋の持ち主であるメテヲさんで、入ってきた時に俺を見つめる。数秒見つめ合うという気まずい空気が流れた。メテヲさんは先程の姿勢から全く動いていなく、驚きを隠せていない。そこまで驚くものなのだろか、と疑問に思う。
「お”ッ、おきてるーーーーッ!?」
そんな大きい声が研究室を始め、様々な部屋に響く。多分1番の被害者は俺だ。咄嗟に耳を塞がなければ致命傷を負っていただろう。その声に驚いた人達がわらわらと集まる。いや、全員集まっている。全員入れるレベルでこの部屋は広いのか、と変なところで感心してしまう。
「おはようございます、いえもんさん」
挨拶をするめめさん
「起きたんですね〜良かったです」
かるーく思っているレイラーさん
「しばらく安静にしてくださいね」
心配そうなみぞれさん
「いきなり倒れて…何があったんですか!?」
白々しいれいまりさん
「…大丈夫でしたか?」
いつもと違い声が小さいガンマスさん
「どんな痛みだった?薬作るから。」
それを口実にして俺を実験台にしようとするメテヲさん。
「お茶組が欠けることなくて良かったです!」
満面の笑みを浮かべる茶子さん。
「あら、そう」
興味がなさそうな菓子さん。
「あ、起きた?お茶入れてくれません?」
自分でもできるだろ、らてさん。
「うぃ〜おはよ!いい昼だろ〜?」
明るいうぱさん
「…」
無言のルカさん
「ぁ…ふーん…」
意味深なひなさん
しかし、その言葉達全部を同時に言われたため、ほとんど解読不可能になっていた。
メテヲさんは既に実験を始めている。れいまりさんは棚の薬が気になるらしく、見てまわっている。その時
──────パリーーンッ
「は!?」
ガラスが割れる音と、メテヲさんの切れた声が響く。割ってしまったのはみぞれさんのようで、顔が明らかに青くなっている。その瞬間、ほとんどの人が頭を抱え始め、同時に力が入らなくなったかのようにガクンと膝をまげ、座り込む。無事なのはれいまりさん、ガンマスさん、めめさん、そして俺の4人だ。
「なにこれなにこれッ!?」「い”ッ!!?」「い”た”い”…痛い痛い痛いッ!!」「なん…で…ぇ?」「…ッ!!」
口々に痛みを主張する。それを俺たちは見ることしか出来なかった。
数十秒経てば、1人、1人と頭を抱えるのをやめ、起き上がる。その目は驚きと疑問が入り交じっている。
全員が起き上がれば、誰から話すのか、と視線を向けあっている。どうやらレイラーさんが言うようでコホン、と軽く咳払いをする。多分、意味はわかっていないと思う。
「えっと…まず、この『記憶』は正しいものですか…?いえもんさんがぐさおさんを追い詰めたってやつ…」
その疑問を受け取るのは張本人である俺。俺は、ゆっくりと、だがしっかりと頷く。その仕草にどよめきがほとんどにはしる。
なぜ記憶が無くなっていたのか、いえもんさんはここまで強かったのかなどなど、様々な意見が辺りを満たしている。
そんな状況に見かねたのか、めめさんは1回手を叩き、注目を集める。
「一旦落ち着きましょ。皆さん。」
凛としていて、透き通る声は、全員の耳に入り、全員が静かに、そして黙る。
「まず、さっきの薬のよって突然思い出された記憶。あれは正しいものです。皆さんは敵の力でその記憶を失っていました。」
ほとんどの人が絶句している。こういうのは自分だけがかからないと思いがちだからだ。俺は張本人だし、ノイズに記憶を戻して貰ったため、くっきりはっきりと覚えている。
全員の視線が俺に突き刺さる。今まで圧倒されてきた敵を圧倒し返したのだ。視線が集まってもしょうがないだろう。ただ、それは俺の力では無いため、少し心地が悪く感じる。
「…まあ、力が強すぎて使い終わったあとデバフがかかるので頻繁には使わないと思っておいた方がいいと思いますよ。」
めめさんのナイスフォローにより、俺にさっきの力を見ようとしてた人達が諦めてくれる。…1部は。
それでも見たがっているのは研究熱心なメテヲさんで、目をキラキラと輝かせた視線を俺に送ってくる。まあ、無理なものは無理なのだが。
それよりも、と俺はれいまりさんの力に驚きを隠せていない。未来を操る。その力は偶然を装い記憶を戻すほどだ。もしかしたら、違う場面でもその力を使っていたのかもしれない…。
ここで切ります!最近朝書きがちです!誤字脱字は許してください…!!
薬については気にしないでください!物語には関係ありません!
それでは、さっさと投稿したいんでここら辺で切ります!それではおつはる!!
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