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これは、カムイちゃんのダーリンが、
まだミチザネという名前で会社員をしていた
ころの話です。
ミチザネはジャポポン諸島の《平安街》
というところで社畜をしておりました。
ミチザネはある時ふとYoutube で見かけた
『だれでも簡単!!モコモコ•マカロンの
ふわふわもこもこパンケーキの作り方』
という動画を見て衝撃を受けました。
それは落雷のようなインスピレーション
でした。
「パンケーキ屋さんになろう。」
彼は退職代行を使い脱サラし、パンケーキ屋さんになるための果てしない研究をしました。
彼には、とてつもないほどのパンケーキ作りの才能と熱意があったのです。
よりふわふわでモコモコで、食べた人が
幸せになるパンケーキを作りたい。
そう思ったミチザネはジャポポン諸島で
決して身分の低いものが入ってはいけないとされる 《禁忌地方》にこっそり忍び込みました 。
ミチザネはおいしいパンケーキを作るため
なら 余裕で 法を犯しました。
そして、手にしてしまったのです。
めちゃくちゃ甘くて人をだめにする
やベーハチミツ、《バチミツ》を。
《バチミツ》を使ったパンケーキは
飛ぶように売れ、《平安街》でえげつない
ほど流行りました。
特に《バチミツ》はJKにものすごく流行り、ミチザネのパンケーキには毎日とてつもないほどの数の客が訪れました。
《平安街》の人たちが異変に気付いたのは、
ミチザネが《バチミツ入りパンケーキ》を
売り出してから、数ヶ月たったころです。
「パンケーキたべたーい。」
「パンケーキたべたーい。」
パンケーキの禁断症状で《平安街》を
徘徊するものが増え出しました。
パンケーキ欲しさに踊り出すもの。
仕事をほっぽりだして道端でねっころがってお昼寝をするもの。
パンケーキをめぐる犯罪や暴動までおこりました。
この恐ろしいほどのパンケーキ•デミックは
ものすごい勢いで平安街に広まり これを見ていた《平安街》のえらい人間さん たちは
「これは……流石に処刑ですねぇ……。」
とパンケーキをもぐもぐ食べながら
いいました。
ミチザネは処刑から免れるためにパンケーキ
を売り捌いたお金で整形し、莫大な借金返済の肩代わりという名目で影武者を用意し、顔と名前を捨てて《平安街》から 一目散に逃げました。
こうしてミチザネの生み出したパンケーキは
その危険すぎるおいしさを危惧され、
《脱法パンケーキ》として食べることを固く禁じられ、食べたものは檻の中でおよそ
10年もの間ションボリしなければならないほどわるいこととされました。
ミチザネはジャポポン諸島の《奈落山》と
呼ばれる場所まで逃げました。
ここまでくれば追手は来るまい。
そう思って名無しはスマホで
YouTube の Live ニュース を見ました。
そこにはもうパンケーキを食べられなくなったパンケーキ依存症となったもの達が
「パンケーキをよこせぇぇぇ!!!!!」
「くわせろぉぉぉおくわせろぉぉぁぁ!!!!」
「お前をパンケーキにしてやろぉかぁぁぁ!!!!」
と《平安街》を暴れまわり火の海となった
様が映し出されました。
名無しは座り込み、顔に手を当てて
呻くようにいいました。
「俺はただ……おいしいパンケーキで
人を幸せにしたかっただけなのに…….!!!」
ばかですねぇこの男は。
それはそうとして名無しはおなかがすきました。
名無しはすでに《バチミツ入りパンケーキ》を毎日のように食べ続けたせいで、これから先ずっとパンケーキしか食べられない病気に
なっておりました。
名無しはなんとかして《奈落山》にすむ
鶏の卵と、質の悪い苦い稲みたいな種と
野生の牛の乳を使い、めちゃくちゃ不味い
パンケーキもどきを作りました。
《奈落山》には砂糖も、ハチミツも、
ありませんでした。
牛との格闘でボコボコに蹴られ疲弊した 名無しは激マズのパンケーキを 一口食べて絶望しました。
「まっず……..。」
まずすぎてもう食べたくありませんでしたが
名無しはパンケーキしか食べられない病を
患っていたので渋々激マズパンケーキを
食べておりました。
すると、
(香ばしいいい匂い!!!!おいしそう!!!!!)
名無しの目の前にとてつもなく巨大なクマ、
カムイがあらわれました。
(なんかおいしくなさそうな肉がいる。
じゃま。)
名無しはそのカムイの持つとてつもない殺気
によってわからせられました。
名無しはここから逃げ出すことも、息をすることさえ出来ませんでした。
カムイはそんなどうでもいい肉のことなんて
気にせずその激マズパンケーキを食べました。
(やっば。これめっちゃおいしいんだけど!!!!!
なにこれやっば!!!!香ばしくてふわっとしててうっま!!!超うま!!!)
名無しはその言葉に涙を流しました。
名無しの願いは、ただ誰かに自分の作った
パンケーキをおいしく食べてもらうことでした。
わからせられていたはずの名無しが
口を開きました。
「そ、それは…..それは俺が作ったパンケーキだ!!!!おかわりがほしけりゃもっと作ってやる!!!!!!」
それを聞いたカムイは
(まじで!!!!うひょーーーー!!!!!)
と言いました。
こうしてカムイの胃袋を掴んだ名無しは
ダーリンと呼ばれるようになり、
ダーリンのことを大好きになったカムイは
ダーリンと同じような形をしたカムイちゃん
という女の子になったのでした。
で、ボスラッシュ編に戻ります。