朝、10時30分。カニドーラクを倒し、
家から帰りダーリンに身体をシャワーと
石鹸でごしごしされたカムイちゃんは
《ダーリン特製ふわふわカニ玉パンケーキ、
~鮭と数種類のキノコを添えて~》
をガツガツガツガツ犬食いしてました。
「邪魔するぜ。」
ボロボロのカニドーラクが店内に入りました。
ガルルルルと威嚇するカムイちゃん。
そんなカムイちゃんをスッと制止しながら
ダーリンは
「ご注文は?」
とぶっきらぼうに言いました。
「カムイちゃんと同じのを一つ。」
ボロボロのカニドーラクはそう言って
カニの脚でカニパウダーを吸って、
フーッと吹きました。
【12分後】
「あいよ、《ダーリン特製ふわふわカニ玉パンケーキ、 鮭と数種類のキノコを添えて》
だ。金はいいや、あっても治安悪すぎて
使えないし。」
そう言ってダーリンはコトッとカニドーラクの前にパンケーキを置きました。
カニドーラクは加えてたカニの脚を噛み砕いて食べた後、その脱法パンケーキを食べて
いいました。
「うめぇ……うめぇなぁ…….猟師に撃たれたおっかさんにも食わせてやりたかったなぁ
…….。」
カニドーラクはパンケーキを喰い終わり
いいました。
「ごっそさん。俺は幹部をクビになった。
俺は自首し、 《試される大地》の網走どーぶつ園の檻で 1000年くらいはションボリしてようと 思う。 じゃあな。」
そう言って敗北者のカニドーラクはのっしのっしと 去っていきました。
さて、おなかいっぱいになったカムイちゃん。
カムイちゃんは次のボス、ロボのいる
カムイちゃんのナワバリの外にある
ものすごく広い芝生のある図書館へと向かいました。
「気を付けろよカムイちゃん、相手は
ジャポポン諸島のえらい奴等全員わからせた
わからせ団だ。さっさと帰ってこい。昼メシはいつもの バターべちゃべちゃハチミツ
ましましパンケーキ作っとくから。」
そう言うダーリンにカムイちゃんは
「だーいじょうぶですよぉ。ボク最強ですしー。」
と特大のわからせフラグを立てながら
鼻歌まじりにスキップしていきました。
【11時30分 図書館の芝生にて】
「あっれ…….ここがボスがいる場所ですよねぇ……どこにもいませんよぉ…..。」
カムイちゃんはキョロキョロあたりを見渡し、そのバチクソ優れた視覚と嗅覚をつかい、更にはクマミミをピクピクさせながら
ボスのロボを探しました。
わからせ団幹部のロボはすでにカムイちゃんの頭上にいました。
ロボは変形し、カムイちゃんがクマクマバスターで掴めないようにものすごく微細なナノマシンとなり雲と混じりあいました。
《科学をわからせる能力》を持つロボから
すれば、自らの脳のデータをナノマシンに
移すことも、そのナノマシン カムイちゃんの優れた五感に勘づかれない よう改良することも、あまりむずかしいことではありませんでした。
ロボはこのままナノマシンとしてカムイちゃんの体内に侵入し、ナノマシン全てに搭載された超小型核爆弾でカムイちゃんの全細胞に攻撃することさえできました。
しかし彼はわからせ団幹部。
ロボはわからせの流儀に従いものすごく
派手な攻撃を放ちました。
「ピピ…..ピピ……..《ピカドン》。」
とてつもないほどの轟音とともにカムイちゃんの身体を落雷の雨が打ち続けました。
ひとしきり打ち終えたロボはカムイちゃんの
様子をよく観察しました。
カムイちゃんはすごく怒ってます。
雷が痛かったのでしょうか?
「ふざけんじゃねぇですよ……..。」
カムイちゃんはジャポポン諸島全域に聴こえるほどの大きな声で叫びました。
「ボクの制服を……ボロボロにしやがって
!!!!!!!!!!!!」
カムイちゃんは落雷を纏ったエレクトロ
カムイちゃんになりました。
両者にらみ合いました。雲の中から
ロボの目がニュッとあらわれて言いました。
「ピピ……ピピピピ…..
勝率……25%……。」
そこでレフェリー君があらわれてホイッスルをならしました。
わからせ合戦、開始です。
カムイちゃんの逆鱗である制服を焼き焦がしたロボ君。
カムイちゃんはロボ君をギロリと睨みました。
「ビッ…!!!!?ビビビ……..。」
ロボ君はそのとてつもない殺意に思わずわからせられそうになりました。
ロボ君はわからせられないようにするために肉体を捨てました。
そんなロボ君でさえわからせる。
それがカムイちゃんなのです。
ロボ君はこのとてつもないわからせから
逃れるために機械内の音声データを流しました。
「しっかりやんなさい、ロボ。期待してるわよ。」
それはわからせ団のボス、ギンジローちゃんの音声でした。
「機能….向上….対わからせシールド….
展開……。」
雲とほぼ一体化したロボ君の身体はピカピカとイナズマのように光りました。
カムイちゃんはロボ君の背後、つまり
雲の上をとるために勢いよくジャンプしました。
世界をわからせるほどの純然たる暴のカムイちゃんにとって雲となったロボを掴んで
クマクマバスターすることなんて逆上がり
をするよりも簡単なことでした。
しかしカムイちゃんがロボ君の上を取るには
カムイちゃんは一度、ロボ君の体内とほぼ同じである雲の中に飛び込まなければなりません。
ロボ君は言いました。
「最終奥義《叡知の結晶。」
カムイちゃんの身体を核が、ミサイルが、燃焼弾が 毒がウイルスが遺伝子改良された生物が、 散弾銃が夥しい数の戦闘機が航空形パンジャンドラムが一斉に襲いかかりました。
カムイちゃんははぁ…..とため息をつき
自らの筋肉を一瞬でぎゅっと凝縮しました。
するとカムイちゃんはものすごくちいさい
カムイちゃんになりました。
「これやるとつかれるんですよねー…..。」
カムイちゃんはめんどそうにそういいながら
夥しいほどの兵器の攻撃をひらりはらりと
躱していきました。
今のカムイちゃんの状態を人間さんで例えると、ものすごく力みながら 三角コーンを
避けつつサッカーのドリブルをしている感じです。
流石のカムイちゃんもちょっとお疲れベアーになります。
「ピ….ピピ……勝率…..35%……。」
ロボくん、まだ勝率を計算してます。
カムイちゃんのまわりに大量の弓矢、槍、
サーベル、日本刀、ハンマー、スラッシュアックス、それと大量の鳩と大量の虫が覆います。
これら全てに小型核爆弾がついており
とてもあぶないです。
小型核爆弾を動物につけて遊んじゃだめ
ってお母さんベアーに教わらなかったの
でしょうか?
そんなんだから毎回ギンジローちゃんに
怒られるんですよ。
当然こんなものでドンパチやったら
ジャポポン諸島の生態系はそれはもうめちゃくちゃになります。
なぜそんな頭よわよわベアーみたいな
攻撃をロボがしているかというと
わからせ団団長のボス、ギンジローちゃん
の能力《フィクションをわからせる能力》
でこの空間内を仮想空間に近いものにしているからですね。
ギンジローちゃんは頭のおかしいカムイちゃんの厄介ファンであることに眼をつぶれば、割りとかしこいクマさんなのです。
というわけでロボはどんどん攻撃を続けます。
「うっわきしょいきしょいきしょいきしょい!!!!!!!!」
なんかキモい虫が飛んでるしよくわからない
不快や音はするしちょっと熱いし臭いしで
カムイちゃんはすごくいやなきもちになりました。
それでもカムイちゃんはロボの全ての攻撃を
まるで被弾せず避けきり、雲であるロボの背後、 つまり頭上まで飛びロボをつかみました。
何故雲を掴むような非現実的なことができる
かと言うと、それはカムイちゃんだからです。
カムイちゃんの力に科学的な根拠など一切
ありません。
「クマ……クマ……!!!!バスタァァァ!!!!!!」
制服をダメにされるしやりたくもない運動をさせられるし臭いしキモいしなんか
ベタベタするしでご機嫌斜めのカムイちゃん。
カムイちゃんはロボを掴み地面へと叩きつけました。
「ビビ…..!!!????….ビッ……。」
ここでシュッとちっちゃなシロクマレフェリー君があらわれました。レフェリー君、今日は残業せずに帰れるかな?
「1,2…….クソッ。」
あーっとロボ起き上がりました。
残業の兆しが高まりつつあるレフェリー君は
嫌そうな顔をしてシュッとどこかへと去りました。
カムイちゃん、ギロリと相手の出方を伺います。
「変形、デカモグラベアー。」
なんということでしょう。
ロボくんの身体が 1ヵ所にあつまりモグラのような機械生命体になりました。クマミミがとてもかわいいですね。
ロボくん、あきらめちゃったのかな?
いいえ、違います。
ロボくんは飽和攻撃でカムイちゃんを捉えることはできないと合理的に判断し、身体を
一箇所に纏めることでよりカムイちゃんに
掴まれにくくしたのです。
「はやくかえりてぇですよぉ…..!!!!」
カムイちゃんめちゃくちゃキレてます。
ロボくんの地味で陰湿な攻撃がしっかりと
効いてます。
これはもしかするともしかするかもしれません。
「潜伏。」
「…..は?消えんじゃねぇですよ….!!!!」
なんとロボくんこの芝生の上から姿を消しました。
カムイちゃん、これを捉えることができません。
「痛っ」
カムイちゃん、何かに首筋を刺されました。
そう、蚊のように小さくなったロボくんです。
ロボくんはデカモグラと言っただけで
でかくなるとも地面に潜るとも一言もいってません。
陰湿ですねぇ。どこまでもどこまでも
陰湿です。
「キッショァ!!!!!!」
カムイちゃん、腕をブンブンします。
カムイちゃんはナチュラルボーンつよつよ
クマさんなのでまったく鍛えていません。
毎日パンケーキ食っておなかいっぱいになったら眠るだけの暮らしをしているカムイちゃんの動きは大ざっぱで適当です。
「潜伏。」
「それまじでやめろぉ!!!!!」
カムイちゃん、激おこです。
今のカムイちゃんは上下左右大小どこから
くるかわからないもぐら叩きをしている
状態です。
カムイちゃんはどこまで耐えれますかねぇ。
「あーもうヤダヤダヤダヤダーー!!!!!」
みっともなく腕をぶんぶんしながら
だだっこのように泣いてるカムイちゃん。
かわいいですね。
さて、ロボくんはどこにいるかというと
なんとロボくん、また雲と合体してました。
ロボくんは雲形態を使わないとは一言もいってません。
せッッこいですねぇ。絶対友達とか少ない
タイプです。
ロボくんは技を放ちます。
「《ピカドン》。」
カムイちゃんに落雷が襲いかかります。
カムイちゃんはこの程度の落雷食らっても
なんのダメージもないのですが
反射的にこれを避けてしまいます。
「ガルルルルルル……!!!」
カムイちゃん思わずガルガルしています。
さて、ロボくんの狙いはカムイちゃんを
わからせることではありません。
ロボくんの真の狙いは雨がくるまで
カムイちゃんを決して休ませずに肉体的、
精神的に疲れさせレイニー君に繋げること。
そのためにロボくんカムイちゃんを最大限
煽るためにカムイちゃんのボイスを録音した
音声でニッチャァァっと煽ります。
「ざぁこ♡」
「ぶっ殺す!!!!!!!」
完全にマジギレモードのカムイちゃん。
思わず全力を出してしまいます。
カムイちゃん、吼えました。
ものすごく体力を消耗するアレをやっちゃいました。
カムイちゃんは世界を脅し、時と空間に忖度をさせたのです。
カムイちゃんにガチで脅されれば世界も時も
流石に忖度せざるを得ません。
かわいそうですね。
そんなわけで時と空間を止めたカムイちゃんが何をするかっていうと
ものっすごく息を吸い込みました。
(相手がどこにいるかわからないなら
とりあえずそこらへんのもん全部吸って
口でモグモグして圧縮してからペッてして
クマクマバスターすればいいや。)
そんな感じのことをカムイちゃんは考えてました。
この技は学校の授業を全教科終えた時と
同じくらい疲れます。
めちゃくちゃ疲れます。
「ビッ……ビビビ……!!!!」
この世界の科学にはまだ時間と空間に
関する技術があまりないためロボくん、
されるがままです。
これはロボくん、わからせられてしまうのでしょうか。
カムイちゃんが圧縮したロボくんをペッと
しました。
ロボくんは下っぱベアーと 同じくらいの
大きさのよわよわベアーになってます。
そしてカムイちゃんロボくんの背後を素早く取り、なんとも愚かなことに全力の
、全力の………これまた全力の一撃を放とうとしてます。
ガルと吼え空間と時間に忖度させ元の芝生
に戻ったカムイちゃん。
これまでの鬱憤を晴らすかのように
全力を出し尽くします。
「クマ…….クマ…..バスタァァァァァァ!!!!!!!!!!!」
「ビビィーーーーー!!!!!!!」
ものすごい勢いで大地が割れながら
地面にめり込んで行くロボくん。
かよわい人間さんなら普通に死んでいます。
ですがロボくんはクマなので死にません。
シュッとレフェリー君がやってきてカウントを取ります。
「1,2…….You win!!!!!!!!!!!!!」
カムイちゃん、見事にロボくんをわからせる
ことができました。すごいですね。
「ッシャオラァァァァァ!!!!!!!!!!!」
これには思わずカムイちゃん、勝利の雄叫びをあげます。
やったねカムイちゃん。
でも忘れてないかな?
これがボスラッシュだってことを。
ポタ…..ポタ…..と雨が降ってきました。
傘も財布ももたないうっかりベアーの
カムイちゃん。
カチッと謎の音を出すロボくん。
どうなるカムイちゃん!!?がんばれカムイちゃん。
ナレーター件実況のホッキョクグマ。
ハヤミーンシロクマカムイは、カムイちゃんを応援しております。
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