人生は奇跡の連続で成り立つ物である科学や文化…そして恋愛においても
これはある恋愛とは無関係の生活をしてきた
草野雫の行く末の知らない恋の物語である
〜〜〜〜
「ん…朝か…」
綺麗な鳥の囀り
全てを包み込んでくれるような日光
可愛い召使の朝食…
最高の朝を過ごしたかったが
あいにく家は妹のドタバタで起き
妹の対して美味しくない朝食を食べ
大雨の中学校に行く…
転校早々最悪である
「にぃに!私のスカート取ったでしょぉ?」
「取ってない…乾かしてあるから行ってこい」
「あーい!」
この悪戯な笑みを浮かべる奴の名は草野華倫
雫の義妹だ
雫とは違い生涯モテ期の美少女
「華倫母さんは?」
「知らな〜い私が起きる前に出ていっちゃった」
「ふぇ〜」
雫が何気ない返事をすると華倫は
どたどたと走り部屋の中まで入り
雫に詰め寄る
「ふぇ〜じゃないよ!にぃに!可愛い妹と二人っきり…変な気起こしちゃうかもって思ってるでしょ〜?」
「時間が無いんだ早く準備しよう」
「むぅ!軽くあしらわれたぁ〜」
どうゆうわけか異常に好かれているのだ
小学生までは普通にお兄ちゃんと呼んでくれて
普通に接してくれたのに中学に上がってから
ずってこうなのだ…
そうして朝の支度をし登校の時間になった
「にぃにどう?」
「どうって…制服でかいな」
「可愛いか聞いてるのだよ?」
「まぁそれなりには可愛いんじゃない?」
「キャー!にぃにから可愛いって言われちゃった一日頑張れちゃうよぉ〜」
「ちょ…恥ずかしいって」
周りをみるとこちらを見ながらヒソヒソと話してる同じ制服の人たちが見え雫は頭を下げる
「照れ屋さんっ🎵」
「違う!転校初日から妹にからかわれているのを見られたら…変態だと思われちゃうじゃ無いか!」
「違うの?」
「違う!」
「華倫も兄ちゃんを見習って適度な緊張感を持て!」
「にゃ〜い」
「わかってないだろ!」
そうして学校につきとうとう自クラスの前まできた
話すことは昨夜から考えて練習した
今日から新しい最高の学園生活が始まる!
ガラガラと少し建て付けの悪いドアを開け
教卓の前に立つ
「こ…こんばんわ!草野雫から来ました!新潟です!しゅ…趣味はけまりで休日は毎日ヨガをして過ごしていますよ…よ…よろしくお願いします…」
(…シマッタァァァァ
テンパリすぎて理解不能なことを言ってしまった…いや待てよ…まだ巻き返せる可能性が…)
わずかな期待を胸にバレないようにクラスの人を見る…
(詰んだ…誰か笑ってたら面白いキャラにシフトチェンジできたかもしれないけどみんな頭にはてな浮かんでるか真顔だ…)
心の中で念仏を唱えているとパチパチと拍手が聞こえる
「わぁ〜」
その拍手の方をみるとそこには誰もが目を奪われるだろう圧倒的顔面にたわわな胸を持っている美少女がいたのだ!
パラパラと拍手が聞こえてくるようになり
雫は心の中で胸を撫で下ろす…
「はいじゃあ雫君には遥の隣に座ってもらおうかな」
「は…遥?」
「私だよぉ〜!」
ブンブンと激しく手を振る先ほど最初拍手をしてくれた女の子…
…神様…ありがとう…
心の中でそう呟き席につき
これからの明るい未来を考え
ホームルームが終わるまで待つ
「ふふっ雫君面白いね〜」
「えっ!?」
突然話しかけられて自然に体が飛び起きる
「蹴鞠が好きなんだね〜」
ニヤニヤと笑う遥に友達っぽい女子が笑いながら言う
「あれ〜俳句が好きって言ってた赤ちゃんは誰かな〜?」
「むぅ〜転校生さんが前なんだからお姉さんっぽくいさせてよぉ!」
「あっ!そういや先生に呼ばれてたんだったじゃあね遥っ」
「むぅ…またね〜」
「緊張しますもんねw」
「むぅ!せっかく遥お姉さんが学校案内してあげようと思ったのになぁ〜」
…気づいた時には雫の頭は床についていた
「えっえっ!?」
戸惑う遥に雫はぐりぐりと地面に額を擦り付ける
「わっわかったから!頭あげて!」
「じゃっじゃあ昼休みに案内してあげるからね!」
「はっはい!」
運良く美少女の隣になり
運良く美少女と二人っきりで学校を回ることになるとは…
これからのラブバカンスを考えると雫の顔は
緩みきっていた
「むぅ?私の話聞いてたぁ〜?」
「う…うん!校長先生の話ですよね!」
「それ10分くらい前の話だよ!?」
「あれ?」
「授業ついていけてるか話してたんだよぉ?!」
「あーまぁ大丈夫ですついていけてます」
嘘だこの時が楽しみすぎて何も聞いていない
ノートには自分の想像の絵が書いてあるだけだ
「そっか良かった!」
「じゃあ何か質問ある?」
「あ!あります!」
「なんでも聞きたまえ雫君」
雫は一拍おいて言う
「俺のもう一個の隣の席の人今日いないんですか??」
「あぁ〜…その人ね…」
「多分いると思うけど…」
「???」
雫は顔を傾ける
「隣の子はね俗に言う不良なんだ」
「ヤンキーか…今もいるんですね」
「ウンウンッ!だから真面目な雫君はあんまり関わっちゃダメなんだからね!」
「はいっそうしますw」
「むぅ!ほんとだよ!」
「じゃあ私先輩に呼ばれてるからここまでねっ!クラスへの戻り方はわかるよね?」
「はい」
「まったねー!」
(先輩か…やっぱり彼氏いんだなあの子)
午後の授業もその先輩という言葉が気になり
集中できなかったようだ
「にぃに〜学校どうだった〜?」
「あんまりベタベタするな!」
「にゃ!で!どうだった?」
雫の腕から胸を離すとニヤニヤしながら聞いてくる
「聞いて驚くなよ」
「うんっ!」
かりんは瞳をワクワクさせながら
子猫のように見てくる
「超美少女の隣になったんだよ!」
「…わざわざ彼女に浮気することを言うかねにぃに…」
瞬間瞳を尖らせ威嚇する猫のようなポーズを取り出す
「浮気って?」
「私と付き合ってるじゃん!」
「やめろ!変なことを叫ぶな!誰かに聞かれたらどうするんだ!」
「いいもん〜」
周りに目をやると身分不相応やATMなどさまざまな罵倒が聞こえてくるがなんとか涙を堪える
だが華倫は少しムッとしながら言う
「にぃにのいいところはほんとにいい女にしかわからないもんね!」
「いらない擁護だ…」
「にぃにの悪口聞きたくないから河川敷行こ…」
「えっ!?遠回りになるぞ」
「いいの!」
雫は華倫に腕を引っ張られ
無理やり河川敷に連れて行かれる
「まったく…にぃにのかっこよさ知らないだけなんだからっ」
「にぃにに愛されない可哀想な子のことは聞かなくていいからねにぃにていうか私のにぃになんだから」
華倫が散々褒めてくれるが今はそんなことどうでも良くなっていたなぜなら
川の近くにいる美少女がチャラ男達に詰め寄られてるからだ
「おいねぇちゃん俺と一緒にこないか?」
「いいこと教えてあげっからよ」
「なぁ?いいだろう?」
美少女は黙ったまま睨むままだ
(流石に助けに行った方がいいよな…)
雫は焦り手すりを乗り越えようとした時
降りるのをやめた
「うるせぇよヤンキーかぶれが!」
河川敷に広がる怒声に少しチャラ男達も怖気付く
あの華奢な美少女からどこからこんな低い怒声が…?
「あぁ?なんだネェちゃん俺らに歯向かうってのか?」
「ふんっ…かかってきな!」
美少女がファイティングポーズを取る中
チャラ男達は拳を出し殴りかかる…
雫は少し怖くなり目を瞑るが
目を開けると襲いかかった男達は無惨にも
地面に向かい倒れていた
「ふぅ…まだやる?」
「ひ…ひぃ!」
大男は腰を抜かし地面を引き摺りながら逃げ去っていく
「まったく…嫌になるわ…」
「にぃにどしたの?」
「バカバレるだろ!隠れてろ!」
「…もういるのわかってるから」
雫は冷や汗をかき後ろを振り返る
「ど…ども…」
「なに?ずっと見てたの?」
「み…みてたかな…?見てなかったような…」
「はぁ…腰抜けで優柔不断最悪ね」
雫はその言葉に怒りを覚えたが相手が相手なので「はい」とポツリと言うばかり
だが華倫は違った
「にぃにになんて事言うの!バカっ!」
「ちょっ華倫さんっやめときましょ!」
「にぃにもにぃにだよ!言い返してあげなきゃ!」
「へぇ…あんた結構度胸あるじゃないおちびの
くせに」
「おチビぃ!?これでも中学から0.5cm伸びてるんだから!」
今にも襲いかかりそうな勢いの華倫の体を抑えるが
華奢な体のどこにそんな力があるのか
逆に雫の体がどんどんと進んでしまう
そして華倫と美少女の体がぶつかるその瞬間
「海っ!何してんだ!」
駆け寄って来たのは高身長のイケメンだった
「ふんっよわっちぃ男にむかついちゃっただけよ」
「だーかーらーにぃにはよわっちくない!」
「ふんっ女の子一人助けに来れないやつがよわっちくないの?」
「もういいっ!にぃに帰ろ!」
雫も顔面の差を感じすぎて居た堪れななくなり
華倫の腕を掴み走って逃げる
「すいませんでしたー!」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!