「あんたなんか産まなきゃ良かった!!」
僕が最後に聞いた母の言葉
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僕には兄がいる
優しくて、かっこよくて、運動神経が良くて、頭も良い
「完璧」が具現化した様な人間だった
それに比べて僕は運動神経が悪く、頭も良いとは言いにくかった
ダメ人間の僕にも兄は優しくしてくれた
そんな兄が大好きで”憎かった”
ある日兄は家族にこんな提案をした
「皆で旅行しよう」って
馬鹿かと思った
なんで僕まで?って思ったし、兄は両親が僕を嫌っているというのも知っていたはずだ
…何かあるんだろうな
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旅行当日、数日泊まるホテルに付いてチェックインもした、そして部屋にも入った
そんな時に何故かずっと話さなかった兄が口を開いた
「母さん、父さん…ずっと言いたかった事がある」
その言葉の中には僕の名前は無かった
あぁ、兄にも見捨てられたんだ
って思った…
両親は「何だ?」とか「何かしら!」ってわくわくしてた
「俺ね、2人の事ずっと嫌いだった」
この一言で空気が変わった
「実の両親になんてことを言うんだ!!」
「き、聞き間違いよね? 」
って両親は言ってたし困惑してた
「俺の可愛い弟を嫌ってたし…俺の変化にも気付かなかった」
「変化??」と両親と僕は考えていた
「最近…俺、食事を取らなかったでしょ?」
「何でだと思う?」
兄はそう両親に聞いた
両親は
「ストレスで食べられなかった」、「外で食べてきたから」って言ってた
「はぁ…ほんと気付かなかったんだね」
「最近食事を取らなかったのは」
「人の肉しか食べられなくなったから」
「!?!?」
「ごめんね、こんな事隠してて」
兄はそう僕に言った
『な…んで??』
「お前を守るためだよ、可愛い可愛い俺の弟…♡」
目に映る兄は僕の知っている「完璧」の兄じゃなかった
その時…母さんが
「ッ!!!何でその出来損ないに情を移すの!?」
「あんたなんか産まなきゃ良かった!!」
そう言った瞬間
(ビチャッッッ)
僕達に赤い液体がかかった
『え…??血…??』
それが最後に聞いた母の言葉…
その次に…
「目を覚ませ_
(ビチャッッッ)
父が殺された
『ハァッハァッ…ヒュッ』
「あぁ可哀想に…もう大丈夫だよ、お前を傷付ける奴はもう居ない」
「だから…俺と一緒に…」
「堕ちよう?」
ここで断ったら死ぬ…
僕の返答は決まっていた
『…勿論だよ…兄さん』
これからずっと…兄に守り続けられるだろう
兄には感謝して欲しい…
出来損ないを演じるのは大変だったんだから
コメント
10件
(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆ スコスコスコスコスコスコ
あ''ー!!!まぢいい!!
あッッッッ、もしかしなくとも兄弟両方共狂ってる!?(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆ スコスコスコスコ