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私はその日、越してきてから一度も開けたことのない
カーテンを開けた。
私は世間一般で言う所の引きこもりだ
中学生でいじめられて以来学校が嫌いになった。
でも、いじめが怖かった訳ではない。
何故なら、友達の美和子が私のことをかばった事でいじめの標的が私から美和子に移ったのだ
でも、私はそれが許せなかった。
何故? 何故、あんなに私をいじめていたのに急に美和子をいじめだすのだろう?
いじめっ子の心理が理解出来なかった。
私が学校に行かなくなっても美和子は家に見舞いに来てくれた
私が大好きなマドレーヌを持って。
美和子「ねぇ、咲良、お見舞いに来たよ」
咲良「美和子。ごめんなさい」
美和子「いじめの事?もう大丈夫だよ」
咲良「でも、それであいつらが懲りると思う?」
美和子「もう、いじめの話は辞めよう。」
美和子「2人ともいい思い出じゃないでしょ?」
美和子「マドレーヌでも食べて忘れよ」
咲良「それもそうだね」
ガチャッ
咲良「美和子、毎回有難う」
美和子「どうも、でも、そんなこと言うなら早く学校来てよ」
咲良「分かってるって」
美和子「もう高校2年生になるんだよ?」
咲良「でも、、。」
でも、、。私は、、、、。
美和子「分かった。もういいよ」
美和子「マドレーヌ食べよう」
毎回美和子が持ってくるマドレーヌは格別だった
咲良「美和子、これ毎回マジで美味い」
美和子「ありがと」
美和子「作ったかいがあったよ」
そう、このマドレーヌは美和子の手作りだ。
咲良「美和子、ゲームやる?」
美和子「ていうか、掃除したら?」
私の部屋はとても女子の部屋だと思えないほどに女子力の欠片もない。
それどころかちょっと汚い部分もある。
咲良「大丈夫、明日やる」
美和子「って言って、何日経ってると思ってんの?」
咲良「だって、、」
美和子「まず、カーテン開けなくちゃね」
咲良「カーテンは開けないで!」
部屋に響く私の大声
美和子「!」
美和子「なんで?」
咲良「太陽を一生見ないチャレンジやってるの!」
美和子「は?」
これにはクラスでも大人しい方の美和子もそんな声を出したくなるほどにくだらなかった
咲良「だから、だから、カーテンだけは辞めて」
美和子「じゃあ、何処片付けるの?」
咲良「うーん、そうだな~」
しばらく悩んでいる
咲良「あ!」
咲良「そうだ、美和子」
咲良「美和子に掃除してもらいたい所があるの!」
美和子「嫌な予感しかしかしないんですけど、、。」
少しの移動
咲良「ここなんだけどさ」
咲良「頼まれてくれる?」
私が美和子に頼んだ掃除場所は花壇だった
美和子「花壇の掃除?」
咲良「掃除って言うか、あの、花を植えたくって」
美和子「こんな日に当たる庭で、太陽を一生見ないチャレンジはどうなったの?」
咲良「えっと、、。」
咲良「太陽は見ないの!当たるのはいいの!」
美和子「そう」
美和子「で、何で私が?」
咲良「ほら、私、ガーデニングやった事ないでしょ?」
美和子「知らないけど」
咲良「美和子、中学の時に緑化委員だったじゃん」
咲良「だから、やれるかなぁって」
美和子「まぁ、いいけど」
美和子「世話はしないからね」
咲良「はーい!」
はぁ、疲れた
ていうか、何で私、花壇に花を植えてるんだっけ?
あ、そうだ、そうだ、咲良に頼まれたんだった
ホントに咲良は、、。
でも、何で急に花壇なんて買って、ガーデニングを始めるんだろう?
いや、引きこもりが暇なのは分かるけど、、。
あと、カーテンを開けさせなかったのも気になる、、。
咲良、もしかして、私に隠し事してるのかな?
どんな隠し事だろう?
まぁ、いいや。
早く作業終わらせて帰ろう