テラーノベル
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リビングのソファの前――優しい陽射しがカーテン越しに落ちる昼下がりだった。
ネグ――佐藤は、すかーと夢魔に囲まれるようにして、そっと膝の上に乗せられていた。
2人の腕が自然とネグを包むように回っていて、静かにその柔らかい髪や、首筋や、手の甲にキスが落ちていく。
「ん……」
ネグが小さく甘えた声を漏らした。
そんな柔らかい時間。
佐藤は、細い肩を震わせるように、ふと呟いた。
「……も、無理っ」
その瞬間。
すかーと夢魔の2人――
互いに目が合った。
すかーはゆっくりと目を細めて、静かに笑う。
「ネグ……ほんま、そういう声……」
夢魔も同じように低く囁いた。
「可愛いな……」
――正直、もう少しだけ、意地悪がしたくなってしまった。
2人は無言で顔を寄せて、さらに大胆にネグの体を撫でる。
耳元、首筋、腰――ゆっくりと手を這わせるように、優しく、けれど確かに。
すると、ネグの体がびくんと震えた。
「や、ぁ……無理って……言ったのに……っ//」
顔を真っ赤にしながら、しゃがみ込むように小さく縮こまるネグ。
その姿が、あまりに可愛くて。
すかーがくすっと笑って、頭を撫でた。
「ごめんな?」
夢魔も同じように微笑みながら、
指先でネグの頬をそっと撫でる。
「悪かった……ほんの、ちょっとだけな」
•
けれど、そのあと――
すかーは冷たい水をコップに注ぎ、夢魔と一緒にネグに手渡した。
「ほら、水、飲め」
「無理させすぎた」
ネグは震える手でコップを受け取って、ゆっくりと水を飲んだ。
その仕草すら、どこか儚くて、でもちゃんと生きている証みたいで。
2人は、ほんの少しだけ静かに見守った。
•
水を飲み終えたあと、ネグはコップをテーブルに置き、
ゆっくりと手を伸ばして、すかーのシャツの裾を掴んだ。
「……続き、して?」
その小さな声。
震えていたけれど、
ちゃんと、自分から求めてくれたその声に――
すかーも夢魔も、もう何も我慢できなくなった。
「――ネグ」
再び、ゆっくりとネグを抱きしめながら、
体温を確かめ合うように触れ合って。
さっきよりも、もっと大胆に。
指先が静かに滑り、唇が重なる。
その度に、ネグはまた小さな声を漏らして、
顔を真っ赤にしながら、ただ2人を受け入れていた。
•
――6ヶ月前なら、こんなふうに触れ合うことすら、叶わなかったかもしれない。
だけど今は違う。
目の前にネグがいて、
こうやって甘えてくれて、
2人もまた甘え返すことができて。
そんな光景が――今、当たり前のように広がっていることが、
何よりも幸せだった。