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「キーンコーンカーンコーン」
教室で下校のチャイムが鳴った。
今日最後の挨拶をしたあと、クラスのみんなが、待っていましたと言わないばかりにぞろぞろと 一斉に教室からでていく。
私、天津 楓(あまつか かえで)は中学○年生。
学力も容姿も運動能力も普通で特に目だったところのない平凡な女子中学生だ。
他の人と違うところと言えば、両親が2人とも仕事の関係で海外にいて一人暮らしということぐらい。
でも、寂しくはない。
なぜなら、私には生まれたときからずっと一緒のテディベアのぬいぐるみがいるから!
これは私だけの秘密だけど、毎日一緒に寝たり、挨拶したり、ときどき一緒にテレビをみたりする。
ちなみに、両親との仲は良好だ。
そして現在、私は親戚の経営するアパートの一部屋にすんでいる。
クラスの友達と少し話をして一人暮らしの分、家事が忙しくて部活には入っていないのでさっさと帰ってしまおうとすると、後ろから話かけられた。
振り向くと、そこには同じクラスの親友、田中絵梨香(たなか えりか)こと、ポニーテールがチャームポイントのえりがいた。
「かえで、一緒に帰ろ?」
「うん」
彼女は新しいクラスになって最初に話しかけてくれた友達だ。
コミュ力が高くて誰とでもすぐ、仲良くなれるから羨ましい…。
だけど、意外と秘密主義な一面もあって、名前と家の場所くらいしか知らない。
だけど、このくらいの距離感がお互いちょうどいいので深くは言及していない。
そして、いつも通りのたわいのない話をしながらしばらく歩くと、最近街に新しくできた古本屋さんが見えてきた。
「ねね、あそこの本屋さんっていったことある?」
と、えりが質問してきた。
「私はまだないかな」
「そっか、私、この前様子見しようとちょっとよってみたんだよね。そしたらさ、興味深い内容の本を見つけたの!」
「へ~、どんな本?」
私がそう聞くと、待ってましたと言う顔でえりは語りだした。
「なんかね、ヒロインと一緒に育ってきてずっと一緒のぬいぐるみが恩返しのために魔法使いにお願いして、人の姿にしてもらうっていう展開から始まるんだよね~」
(いや、確かに大事にしてきた物には魂がやどる~、みたいな話は聞いたことはあるけど…)
「でねでね、そのぬいぐるみさんが恩返しとして何でもやってくれるんだって~」
(な、なんでも!?)
「…それはもしや、料理、洗濯、食器洗い、風呂洗、靴磨き、それからそれから…」
「はいはい、ストップ!何でそっち目線?なんかこうさ、いかがわしい事とかさ…」
「いかがわしいこと?」
「うっ、そんな純粋な目でみないで!」
なぜかえりがダメージを受けている。
(???)
「いつまでも、そのままでいてね…」
そう言ってえりは我が子を慈しむような笑顔を見せてきた。
それから色々キャッキャッと話を続けていると、いつの間にか分かれ道がみえてきた。
私の家は右を曲がったところで、えりの家は左を曲がったところだ。
「あ~、もうちょっと話したかったのに…。
ちなみにさっき最初にはなしたぬいぐるみの話には続きがあるから今度聞いてね!じゃあね!」
「うん、また明日~」
(こんど、その本屋さんに行ってみようかな… )
こうしてえりと別れ、自宅のアパートを目指して私は歩きだした。
いつも一人で歩くときは、頭のなかでその時の気持ちに会った音楽が流れる。
今日は、何かが始まりそうな音楽が流れた。
ちょうどその曲を流し終える頃、自宅のアパートがみえてきた。
階段を駆け足で上がり、いつも通り2階にある自分の家の扉を開けると…
「あ~、おかえり~(*´▽`*)」
と、玄関で、片手におたまを持ち、何故か私がいつも使っている父のお下がりのエプロンを着た、みたことのないほどの綺麗なお兄さんが私に向かってそう言った。
次回…主人公、キャパオーバーになりぶっ倒れる。
あとがき…初投稿です。古参になってください。
コメント
1件
あらためて読んだわ!「ぬいぐるみが恩返しでイケメンに」って、えりが紹介した本の内容と主人公の状況がリンクしてるのがニクい伏線だね🔥 最後の「おかえり〜」のシーン、完全にやられたわ。次回、主人公が倒れるってのも気になるし、続きがめっちゃ楽しみ!
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275
#ご本人様には関係ありません
なな💚🍅💜🐰
7,771
#ハート&フォロー&コメントお願いします
ズネキ(ルル)
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