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幽霊譚。後編
〜 校門前 〜
sha「 … 」
ut「 …会えた? 」
sha「 しくんどったん…? 」
ut「 いや、…みんなには話しててん。 」
sha「 ゾムのこと…? 」
ut「 せや、ゾムから昨日のこと聞いたやろ? 」
「 ゾムがいたこと、話してシャオちゃんに行かせて 」
「 思い出させようって話になった 」
sha「 …、俺とゾムってさ…どういう関係やったん。 」
ut「 恋人…。 」
sha「 あ〜…そっ、か…。笑 」
ut「 じゃあ…帰ろか。 」
sha「 明日、みんなで来てやってさ。 」
ut「 ほんま? 」
sha「 おん。ゾムからの願い。 」
ut「 じゃあ叶えたらなあかんな。 」
sha「 うん。 」
〜 家 〜
sha「 … 」
カーテンの隙間から差し込む月明かりが俺の部屋を明るく照らした。
全く記憶がない。
ゾムと過ごした記憶。
何がきっかけで記憶が欠けたのか、分からない。
でも、寝たら思い出すか
zm『 シャオローン! 』
sha『 どうしたんゾム? 』
zm『 大好きやで、シャオロン! 』
sha『 !! 』
『 …俺も大好きっ!! 』
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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sha「 っは…ッ 」
全部…思い出した…ッ
ゾムとの思い出も…、関係も、ぜんぶ…ッ
頬に涙が伝う感覚があった。
なんとも言えない感情が俺の中で渦巻いてた。
思い出せて嬉しい感情と、大好きな人が死んだ嫌な感情と
それと……、ッそれ、と…ッ
sha「 ぞむぅ…、ッ 」( ポロポロ 泣
急に涙が止まらなくなって
ただひたすら声を上げながら泣いた。
そしたら、インターホンが鳴った。
でも、その音には気が付かなかった。
頭の中はごちゃごちゃになってたから。
数分くらいしたら、部屋の扉がガチャッと開いた。
そこに居たのは大先生。
俺は、うずくまって枕に顔を埋めて泣いていた。
だから、誰かが来ても全く気づかなかった。
ut「 シャオちゃ、…ッ 」
思い出したくなかった。
こんなに苦しくなるなら
こんなに寂しくなるなら。
全部、
sha「 思い、出さなくて…、良かった、ッ 」( ポロポロ 泣
ut「 …ッ、 」
「 シャオロンッッ、!!! 」
sha「 …ッ、! 」( ビクッ 驚
ut「 …、んな事言ってんじゃねぇよ…ッ 」
「 それでも…、お前はゾムの恋人か…ッ?! 」
「 大切な人のこと思い出したくないとか言うんじゃねえよ…ッ、! 」
sha「 …、ッ 」
大先生の震えた今にも泣きそうな怒鳴り声は
俺の部屋に響いた。
大先生の声で我に返った。
なんで思い出したくなかったって言ったんだろうって
なんで忘れたんだって
自分を責めた。
ut「 シャオちゃん。 」
sha「 …ッ、 」
声が出ない。
ut「 ゾムが悲しむで 」
sha「 …、 」
ut「 笑ってようや! 」( ニコッ
sha「 ぅん…ッ、。 」
そして、学校に行ってから。
家に帰って、夜になってからまた学校に行った。
〜 夜の学校 〜
sha視点
sha「 失礼します… 」
ut「 自分の教室なんやから挨拶せんでええやろ…ww 」
tn「 狂ったか?ww 」
sha「 えぇ、ッいやだって…ッッ!! 」
shp「 いいんすか? 」
rbr「 何が…? 」
shp「 前。 」
sha「 …ッ 」
そこには昨日みたいに、ゾムが窓に座ってた。
こっちを見ずに校庭を見て
zm「 おはよう。 」
と言った。
sha「 ぞ、…ッ 」
言葉が喉につっかえて
声が喜びでかすれて出なかった。
zm「 いやぁ…、勢揃いやな! 」
ci「 ほんまにおったんやな…。 」
zm「 ここからは出れへんけどな。 」( 降りる
ゾムは窓から教室に降りると
一直線にこっちに向かってきた。
sha「 へっ、ぇっ、ぞ、ゾム…? 」
ut「 10分だけ他の教室行ってくるわー。 」
rbr「 お幸せにー。 」
そう言ってみんなが教室を出て
ゾムは真っ直ぐに俺を見つめた。
見られすぎて逆に恥ずかしくなって顔が熱くなるのが分かった。
zm「 思い出した? 」( 笑
sha「 っと…まぁ…、 」
zm「 じゃあ…、良かった。 」
sha「 …、? 」
zm「 俺の未練な、みんなにまた会いたいことやねん。 」
sha「 …! 」
zm「 あと、お前の笑顔を見ること。 」
「 シャオロンに俺を思い出してもらうこと。 」
sha「 欲望お化けやんか…ッ、 」( 笑
zm「 ありがとーな、叶えてくれて。 」
sha「 ぇ…ッ、 」
zm「 じゃあな…ッ、 」
ゾムの姿がだんだん見えなくなった。
zm「 おやすみ。 」( ニコッ 笑
最後にゾムがおやすみって言って、笑って消えていった。
sha「 ゾムッッッ!!! 」
呼びかけても返事は無い。
ただ、虚空に語りかけるだけ。
でも、いつからかの
心の中にぽっかり空いた穴が、ゆっくりと埋められていく気がした。
今の俺の感情は、虚しさと、悲しさと、嬉しさだった。
俺は俯いて、涙を零した。
今は、声をあげずに、ただ静かに泣くだけ。
最愛の人に、泣いてるとこなんて見せたら
情けないから。
俯くのをやめて、前を向いた時
星が1つ、輝いて見えた。
その時、ゾムが俺に笑いかけくれてるみたいで
嬉しくなった。
ut「 あれ、ゾム、は…? 」
sha「 …ッ、 」
深呼吸をして、気を落ち着かせてから
sha「 今度こそ…、星になったよ…ッ、。 」( ニコッ 泣
上手く笑えてたかは知らない。
涙は止まらないまま、みんなにそう伝えた。
tn「 ……話せたか? 」
sha「 …、うんッ。 」
rbr「 なら、よかったな。 」
みんなの声が優しかった。
疲れたからか、俺はぐったりとしゃがんみこんだ。
そしたら、みんなが優しく…俺の頭を撫でてくれた。
多分、誰かも泣いてたんだろう
鼻をすする音が聞こえたから。
目を開けて、前を向いたら
また、星が煌びやかに輝いた。
ありがとう、ゾム。
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閲覧ありがとうございました。
感想コメントお待ちしております。
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コメント
20件
。゚(゚´Д`゚)゚。切ない…けどほんわかしました!