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#ワンナイトラブ
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私は
思い違いをしていた
リュカは
何も変わってない
一人で勝手に思い悩み
あの日
リュカがくれた言葉を
リュカを信じようと
自分に誓った未来を
忘れてしまっていた
一人で勝手に袋小路に迷い込み
方向性を見失っていた
私は
何度同じ過ちを繰り返すのだろう
これ以上
もう失えない
これ以上
もう見失わない
これで最後にしよう
私は私自身に
そう固く誓う
リュカを信じよう
リュカと共に生きたいから
***
ビリオネアのCEOと過ごす週末
場所は決まってファミレス
そんな週末も悪くない
この笑顔を見れるなら
暇潰しのつもりで入店したファミレスに
リュカ押しかけてきた
その流れのまま話し込み
気付けば昼前
私たちは
少し早めの昼食を共にした
リュカは決まってハンバーグ
リュカ宅で手作りのハンバーグを振る舞って以来
私と会う時はいつもハンバーグを注文する
気に入ってしまったらしい
ビリオネアのCEOが
純真無垢な笑顔で
育ち盛りの少年の様に
ファミレスでハンバーグを食す週末
この笑顔を見れるなら
こんな空間なら
毎日でもこうしていたい
毎日でもハンバーグを作ってあげたい
心に閊えていたものが取れ
体調まで良くなった気がする
ずっと言えずに苦しかった
DNA鑑定結果も伝えられた
伝えても尚
リュカは何も変わらず
私を受け入れてくれた
本当に
言えて良かった
本当に
リュカで良かった
「あれ?今日は結構食べるね」
「前までもっと小食じゃなかったっけ?」
気付けば完食
リュカよりも早く食べ終わっていた
急に事実を摘示され
急に食いしん坊認定され
気恥ずかしさに赤面する
「妊娠すると食欲が増すみたいで……」
「栄養も摂らなきゃだし」
咄嗟に言い訳をしてしまった
「へ~そういうものなんだね」
「じゃあ、お腹の子の分までしっかり食べなきゃ」
咄嗟の言い訳から
話があらぬ方向へと逸れてしまい
私たちは
一緒に
食後のデザートまで平らげた
***
流石にお腹が一杯
私たちは
食後の運動も兼ねて
ひと駅先の会社まで徒歩で向かう事にした
リュカと二人で並んで歩く
今まで決してなかったこと
こんな普通の
こんなにも当たり前のことが
何よりも嬉しい
今日は
景色がよく見える
顔を上げて歩けている
雨上がりの空には虹が掛かり
狭苦しい都心の道路が
歩行者天国となり
私たちの為に道を開ける
何て優雅な休日なのだろう
(……?)
隣を歩くリュカが
何度か後ろを振り返る
何かを気にしているようでもあったが
何事もなかったように歩いていた
結局私たちは
寄り道しながら追いスイーツを買い込み
ようやく会社まで辿り着いた
——チン♪
流石に階段で上がるほどの気力はなく
下りて来たエレベーターへと乗り込む
——!?
エレベーターの扉が閉まるや否や
背後から
覆い被さる感覚に襲われる
覆い被さるそれが
きつく
私を抱きしめる——
「……瑠奈」
「愛してる。ずっと昔から、今も、これからも」
「これから4人でずっと一緒に暮らそう」
きつく
抱きしめられるがままに
我が身を委ね
抱きしめられたまま
後ろを振り返る
僅か数センチ先に迫る
リュカの顔を見つめ
時が止まる
リュカと見つめ合ったまま
時が止まり
沈黙が支配する
聞こえるのは
胸の鼓動だけ
感じるのは
リュカの体温だけ
そのまま
目を閉じ
我が身を委ね
私たちは唇を重ねた——
——チン♪
上り着いたエレベーターの扉が開く
扉が開いても
時は止まったまま
扉が閉まっても
時は止まったまま
休日の誰もいないオフィス
エレベーターが止まったまま
時が止まったまま
私たちは
悠久の時の中で
落としたスイーツも忘れて
永遠に唇を重ねた——
リュカの腕の中で
得も言われぬ安心感に満たされる
このまま時が止まればと
願わずにはいられない
この先
多くの障壁と
多くの困難が
待ち受けているのは想像に難くない
でも今は
何も考えたくない
リュカとなら大丈夫
リュカとなら越えられる
もう絶対に迷わない
もう絶対に見失わない
もう絶対に失わない
私の大切な子
私の大切な人
そう
神様に誓います
私を見つけてくれてありがとう
私と出会ってくれてありがとう
——リュカ
——私は
本当に
本当に
あなたのことが
「大好き!」