殺人が本当に起きてしまった事がまだ信じられない。現実味がないっつーか、ちーさんがバァ!とか言って背後から出てきそうだと思ってしまう。でも、先程確認した時点で息はしてなかった、死んでるんだ、それは知ってるんだけど。
…普段なら笑えた筈なのにな? 今回ばっかは笑えねぇよ……。
バラバラに鳴らす足音が、少しだけ頼もしく感じた。昨日は自分のしか聞いてなかったから。
……と、廊下の曲がり角。曲がるその直前に、突然長尾景が目の前に出てきて、勿論鞘をつけた状態では有るが、刀を俺らを守るように横へ構えた。その姿は流石祓魔師と褒められる程俊敏で、警戒の素振りというよりは体が勝手に動いているように見えた。
葛葉「!? お、おいどうし…」 叶「うわっ、」
甲斐田「…うわッ?!!??」 弦月「へっ…?!」
長尾「…おぁ、ハルと とーじろーじゃーん!!!」
甲斐田「ちょホント…!もぉおぉお心臓に悪いってぇ!!!」
弦月「まぁまぁこういう状況だし仕方ないって…w」
廊下の曲がり角。少し危険ではあったが、バッタリと合流を果たしたのはその2人、甲斐田晴と弦月藤士郎だった。まさかVΔLZが此処で揃うとは。
先程までの冷たい雰囲気とは違って、2人を見た瞬間華やかな笑みを浮かべる長尾は少し怖かった、いや大分怖かった。此奴二重人格かよって。
叶「…長尾くん、やっぱ強いんだね。」
葛葉「お、おう…戦いたくはねぇよな。」
口元を手で隠して、コソ、と話し掛けてきた叶に視線を合わせずそう返した。叶はうんうんと小さく頷いた後、何か思い出したように目を開いて、甲斐田へ一言問い掛けた。
叶「あ、甲斐田ぁ!昨日といいさっきといい大丈夫だった?」
甲斐田「叶さぁん!死体は…まぁ結構ショックでは有りましたけど結構見るんで…。いやでも本当昨日は情けない所をお見せしてしまい……」
叶「あぁいやいやいやw ああなるのが普通だって、ねぇ?」
いつも通り、情けねぇ声を出しながら会話をしてた。俺も結構心配してたから大丈夫なら良かったかな。…まぁでも、目がちょっと赤いし泣いたんだろうな? それでもこうやって行動出来ている事は凄いと思う。
こう会えたのも何かの縁、何か話しを聞いておこうか。
葛葉「お二人さん何してたんすか?」
弦月「嗚呼、9時頃まで晴くんの調子を伺ってましたね。ある程度落ち着いて、本人がもう一度現場に行きたいって言ったので向かって廊下を歩いていた時、不破さんにアリバイを聞かれました。10分前くらい…? で、今に至るって感じです。」
葛葉「ほーん…俺らも夜のアリバイ聞いて良いっすかぁ?」
弦月「勿論です、信頼も高まりますし。僕達も聞いて良いです?」
葛葉「良いよ~ん」
随分と分かりやすく丁寧に説明してくれた。やっぱ慣れてるんかな。
聞いた話だと、弦月の部屋でVΔLZの3人が集まっていた。寝る時は部屋に戻ったけど、2時間程…20時から22時まで一緒に過ごしていた、という話だった。
俺と叶が部屋に一緒になったのは22時半。少しズレているが…まぁ良い情報だ。
やはり皆考える事は同じか? SMC組と言いVΔLZと言いChroNoiRと言い、他の人も集まっているのだろうか。
叶「…ねね、葛葉。本題。」
トントンと肩をつついて来た彼の言葉でハッと思い出した。武器庫を見に来たってのに時間食いすぎたな…? 取り敢えずもう別れた方が良いか、それとも一緒に行く? そう悩んでいると、1人が言葉を発した。
長尾「あ、そうだぁ!ハルと とーじろーも一緒に武器庫行く~?」
弦月「…どうする?晴くん。」
甲斐田「あー…行くかぁ、死体を調べたりするのは一応研究に近いから本業だし…どうせすぐ終わるから。それに人が多い方がちょっと安心…」
弦月「だってさ、景くん。お世話になります、叶さん葛葉さん。」
叶「おっけ~、多い程アリバイは有力になるから尚良し!」
流石陽キャって言うか…うーん、まぁ良いか。
向かおう。
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今日の証拠、アリバイ。
9時45分、甲斐田晴 弦月藤士郎と遭遇。
9時頃まで弦月と甲斐田は一緒に居た。(甲斐田を落ち着かせていた、慰めていた。)
9時35分、甲斐田と弦月が不破湊と遭遇、アリバイを聞かれた。
昨日の夜、20時から22時にかけてVΔLZが弦月の部屋で集合。
今回からアリバイ、証拠を提示して行きます。
過去作の物も更新しておくので見返してみて下さいね!
そして遅れてしまい申し訳ない…。
コメント
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面白くて最高です! 続き待ってます(*゚∀゚)