眠りの守護神
月明かりが波間に揺れる静かな夜。空は、淡いブルーの瞳を半分閉じながら、ベッドに横たわっていた。
海「また、眠てるのか?」
海がそっと彼に声をかける。彼の声はまるでそよ風のように穏やかだった。
空「君がいるときだけ、僕は安らげるんだ。」空は微笑みながら答えた。
海は、いつも思う。
空は、まるでどこかに消えてしまいそうな存在だと。その儚さが愛おしくてたまらない。
夜が訪れるたび、二人は一緒に過ごした。
ベッドに横たわりながら、空が小さく呟く。
空「君が眠る顔を見るのが、僕の唯一の癒しなんだよ。」
海は笑って、そっと彼の手を取った。
海「俺も同じだ。空がいないと眠れないから。」
空「そうかもね。」空は笑いながら、海を優しく抱きしめた。
ある日、空が言った。
空「海、もし僕が消えてしまったらどうする?」
その問いに、海は少し考えた後、真剣な顔で答えた。
海「俺ががいなくても、空は俺をを探し続けるよ。」
空「たとえそれが永遠に続いても?」
海「空、君が俺に教えてくれたよ。どんな荒波も越えられるって。だから、俺は大丈夫。」
空はその言葉に涙を浮かべ、そっと海に寄り添った。
夜空の下、波の音が穏やかに響く中、海は空を腕の中に抱いていた。
空「君は僕の守護神だよ。」
海はそっと微笑み、静かに目を閉じた。
海「それじゃあ、そばに眠らせてもらう。」
「世界中のどんな荒波も、君がいれば超えられる。」
きっかけ
**月明かりに照らされて**
夜風がそよそよと吹く、静かな浜辺。波音が柔らかく響く中、一人の青年が海を見つめていた。
彼の名前は空。眠ることが好きな守護神だ。
空「また、ここに来てしまった……」
空は自嘲気味に呟いた。
彼の足元に広がる波は、月明かりを反射してまるで銀の絨毯(じゅうたん)のようだった。
そのとき、不意に聞こえた声。
海「空ぁ?」
振り向くと、そこには海軍の制服をまとった青年が立っていた。
彼の名前は海。鋭い目つきが印象的だが、その奥には優しさが宿っている。
空「……ただの神様だよ。眠りの守護神。」
空はふわりと笑みを浮かべた。その笑顔はどこか儚げで、海の胸が少しだけざわついた。
海 (何、言ってるんだ?ふぅっ)」
海 (両翼があるから、不思議だと思うが….)
海「神様、ねえ。じゃあ、俺が無事に眠れるように守ってくれるのか?」
海は冗談半分で言ったつもりだったが、空は少しだけ目を伏せて、真剣な声で答えた。
空「もし海が眠れない夜があるなら、そばにいてあげるよ。」
その言葉に、海は思わず視線を逸らした。鼓動が速くなるのを感じながら。
**二人だけの時間**
海と空はその夜から毎晩のように会うようになった。海辺での散歩、星空の下での会話。
彼らの間には言葉にしなくても通じ合う何かがあった。
海「空、お前ってどこか消えてしまいそうだよな。」
ある夜、海はふとそんなことを口にした。空は一瞬驚いたような顔をした後、微笑みながら答えた。
空「そんなことないよ。ただ、僕は君みたいに強くはないだけ。」
海「強い?俺が?」
空「うん。君はどんな荒波も越えていける。でも、僕はその波に揺られてしまうくらい、弱いんだ。」
空の言葉に、海は何かを言い返そうとしたが、代わりに手を伸ばし、彼の肩をそっと抱いた。
海「俺は波じゃない。お前が沈まないように、ちゃんと支えてやるよ。」
その言葉に、空の目が少しだけ潤んだように見えた。
コメント
2件
うん、大好き 空の儚さと言うかなんならどっちも儚くて消え入りそうで綺麗 ガチ好きすぎる!