リビングに着くと真っ先に目に入ったのは、やはりお兄ちゃんの作ってくれた朝ご飯だった。
綺麗にラップがかかっているそれは、お兄ちゃんの器用さが窺える。
ラップを剥がすと、ほのかな香りが鼻腔をくすぐった。
「お〜!」
こんがりと焼けた食パンと目玉焼き、トマトやレタスなど豊富な野菜、そしてフルーツヨーグルトというシンプルなごはんが並んでいた。
「おいしそー!!」
そう、お兄ちゃんの作ってくれる朝ご飯はシンプルだがとても見栄えがよく、栄養満点の料理なのだ。
ふと壁にかかってある時計を見ると、今は10時だということがわかった。
けっこう寝ちゃってたかも。
お兄ちゃんは1時くらいに家に帰ってくる。
それまでに色々終わらせておこうと思い、まず花音は目の前にある愛情たっぷりの朝ご飯を食べることを決めた。