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◇第2章:この居場所が、ずっと続けばいいのに
目が覚めたのは、真っ白な天井だった。
けたたましいアラームのような喧騒も、暴力も、寒さもない。
ベッドの上で、らっだぁはしばらく瞬きを繰り返していた。
「あ……生きてる、の?」
声はかすれ、手足の感覚はおぼつかない。
けど、その横で看護兵が微笑んでいた。
「よかった、生きてて。もう心配させないでよね」
その言葉に、思わず涙がにじんだ。
優しい声が、信じられなかった。
優しくされた記憶なんて、なかったから。
⸻
傷が癒えるまで、らっだぁは軍の医療棟で過ごした。
“保護対象としての一時措置”──それが正式な立場。
でも、当時の彼にはそんな理屈よりも「ちゃんと食べられること」が何より嬉しかった。
⸻
??「おまえ、名前は?」
rd「……らっだぁ」
??「へー、変な名前」
rd「あ、あなたは、?」
kyo「ん?おれ?俺は金豚のきょーや」
rd「きょーさん、よろしくね、?」
kyo「おん、よろしくー」
rd「あ、あとそこにいるのは?」
md「(ビクッ)ア、ア、ミドリッテイイマス」
rd「みどりくん、よろしくね?」
md「ウン、」
??「あれー?新しい子ここにいるっていってたよねー?」
??「うん、そのはずだよ?」
??「あ、!いたよ!レウさん!」
ru「お!本当だ!ナイスコンちゃんー」
cn「新しい子だよね?よろしくねー僕はコンタミ で、こっちが」
ru「レウクラウドですー」
rd「こ、コンちゃんとレウさん、よろしく、」
cn/ru「よろしくー 」
そうして同年代ぐらい?の子と仲良くなった
また、そんな他愛ないやり取りが、少しずつ、らっだぁの中の“氷”を溶かしていった。
仲間たちは最初は警戒していたが、彼の天然でのほほんとした口調や動きに、徐々に心を開いていった。
⸻十数年後
🍚ある日の食堂
kyo「らっだぁ、コレ食うか? 俺いらねぇや」
rd「え、いいの!? わーい、唐揚げ2つめー!」
kyo「おま、子どもかよ……」
rd「いいでしょ別に〜」
md「ラダオクン ヨクタベルネー」
ru「最近めっちゃ食べてない?」
cn「たしかにw小さい頃はあんなにガリッガリだったのにw」
rd「いまはいま!!前はまえ!お腹空くもん!」
皿の上の唐揚げを嬉しそうに口に運ぶらっだぁに、
周囲の幹部や一般兵たちは苦笑しながらも、自然と目を細めていた。
kyo「でもお前、リーダーのくせにチビすぎんだよ」
rd「チビとか言うなー、成長途中なだけー!」
ru「いや、これ以上は無理でしょ……」
笑い声が食堂に響く。
そう、成り行きでらっだぁはリーダーに他のみんなも幹部になっていた
それはかつて彼がいた家庭とはまるで違う、ぬくもりのある場所だった。
⸻
🛏ある夜の宿舎にて
rd「はー……明日も偵察か……めんど」
kyo「お前、まとめ役なんだからやる気出せよ」
rd「俺はやる気あるよ? ただ体がついてこないだけで〜」
ru「それを“やる気がない”って言うんだよバカー」
rd「ふはは、ごもっとも〜 ブゴッ」
md「ガンメンチョクゲキ、」
ベッドの上でごろごろしているらっだぁに、
幹部のコンタミが容赦なく枕を投げつける。
だが、それすらもらっだぁにとっては「生きてる実感」だった。
冗談を言い合って、手がぶつかって、誰かが笑って、隣にいてくれる。
それだけで、昔の痛みが少しだけ遠ざかってくれる気がした。
⸻
軍に拾われてから、らっだぁは不思議と人に好かれた。
のほほんとしてて、天然で、まとめ役にしては少し頼りない。
でも、そんな「抜けたリーダー」だからこそ、殺伐とした軍の中で空気が柔らかくなった。
ru「ねえ、らっだぁってさ、本当は疲れてない? まとめるの、大変でしょ」
ふと、仲間の一人がそんな言葉をかけたことがある。
らっだぁは少し考えてから、にっこり笑った。
rd「大変だけど……でも、みんなといるの、好きだから」
それは本心だった。
⸻
でも、それが続くことはない。
何かが、壊れ始める予兆のような“胸騒ぎ”が、らっだぁの中にずっとあった。
rd「……俺、ほんとはリーダー向いてないんだよなー」
誰もいないとき、ふとそんなことをつぶやく。
あの日、母親に言われた言葉が、今も耳の奥でこだまする。
「アンタのせいで、私は幸せじゃないのよ」
あの言葉が、彼をまだ縛っていた。
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