朱虎の影が濃く畳に落ちる。おじいちゃんはしばらく動かなかった。
「――そうか。お前ェ、覚悟決めてるってェんだな」
冷え冷えとした言葉に、朱虎は何も言わずさらに頭を畳にこすりつけた。
誰も、こそりとも音を立てなかった。それなりの修羅場をくぐってきてるはずの組員たちが誰も動けず、息をのんで事態を伺っている。斯波さんがひたすらおろおろとしていた。
あたしは、何だかぼうっとしていた。
何度も何度も朱虎の言葉が頭をリフレインする。
気持ちを殺しきれなかった?
殺しきれなかったって、どういう意味?
それって、朱虎はあたしのこと――……そう思っていいの?
「志麻」
「ふえっ、は、はいっ!」
おじいちゃんの声であたしはハッとした。
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