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突然だが俺は今荼毘の部屋の前にいる。これにはちゃんと理由がある。荼毘には暴走した時と熱を出した時に沢山迷惑をかけちまったから謝罪をしっかり伝えたい。荼毘いるかな…。扉をノックする。
焦「荼毘、居るか?」
返事が返ってこない。さて、どうしたものか。本人が居ない中勝手に部屋に入るのはさすがにダメか?いや、もしかしたら部屋にいて寝てるだけかも。よし、入るか。
焦「荼毘、入るぞ」
一言声をかけ部屋に足を踏み入れた。荼毘の部屋はなんというか物が少ない。必要最低限の物しかない気がする。辺りを見回すと、壁にエンデヴァーのポスターが貼ってあった。なんで荼毘の部屋に親父のポスターが?まあいいか。ふと荼毘のベッドに目がいった。枕元には写真が飾ってある。なんの写真だろうと思って見てみるとそこには、親父とお母さん、姉さんと夏兄、そして燈矢兄の5人が写っていた。夏兄が赤ん坊ということは、これは俺が産まれる前に撮られたものだろう。それを何故荼毘が…?一瞬変な考えが脳裏をよぎる。いや、それはないだろう。だって燈矢兄は死んだはずだ。生きているはずがない。でもとりあえず荼毘に会って確認しなきゃ。そう思い立ち上がった。その時ちょうど、荼毘が部屋に入ってきた。
荼「焦凍?なんで俺の部屋にいるんだ?」
荼毘がそう言って俺の方を見る。荼毘は俺が持っている写真に気がついた。
荼「あーその写真見たのか。しまっておけばよかった」
焦「荼毘」
荼「なんだよ?」
焦「お前もしかして燈矢兄なのか?生きてたのか?」
涙を必死に堪えて質問する。
荼「そうだよ。俺の本当の名前は轟燈矢だ」
その瞬間、俺は荼毘に抱きついた。
焦「なんでずっと隠してたんだよ」
荼「最初は別に言わなくてもいいかなって思ってた。ただの言い訳になっちまうかもしれないが言おうと思ってた時は何度もあった。でも俺が意気地無しのせいでずっと言えないでいた。悪かったな」
堪えてたはずの涙が溢れ出す。
焦「燈矢兄、燈矢兄、燈矢兄…」
荼「ん?」
焦「暴走した時、熱出した時迷惑かけてごめん」
荼「そんなこと迷惑だなんて1ミリも思っちゃいねぇよ。お前はもう少し甘えて生きることを覚えろ」
焦「…うん。燈矢兄、ありがとう」
そのまま俺は、泣き疲れて眠ってしまった。