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#溺愛
桜咲かな
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桜咲かな
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#百合
コメント
1件
第45話、読んだよ〜!!😭💕💕 キーホルダーが二人とも持ってるってわかった瞬間、鳥肌立った!!まさかの繋がり方に心臓バクバク…「それ、私も持ってる」の返信、めっちゃエモい…!二人の関係にどんな過去があったのか、ますます気になるよ〜!事故の前日、まだ謎だらけだけど、少しずつ紐解かれていく感じがたまらない…!次の話も楽しみにしてるね🌸✨
第四十五話 知らない昨日
翌日。
彼は昨日見つけた画像を、もう一度開いた。
病院の受付。
白い壁。
そして、端に置かれた一枚の紙。
「本人には、まだ伝えない」
何度見ても、その意味は分からない。
そもそも「本人」が誰なのか。
なぜ伝えない必要があったのか。
考えれば考えるほど、分からないことが増えていく。
彼はスマートフォンを手に取った。
『昨日の画像、もう一回見てた』
すぐに彼女から返事が来る。
『何か分かった?』
『まだ。でも、気になるところがある』
『どこ?』
彼は画像を送った。
『この紙の下』
彼女も画像を拡大した。
しばらくして、
『……名前みたいなの見えない?』
と返ってきた。
彼も拡大する。
紙の端に、小さな文字があった。
ほとんど読めない。
それでも、最初の一文字だけは確認できた。
彼は自分の名前を思い浮かべる。
一致している。
「……俺のこと?」
そう呟いた。
けれど、その下に続く文字はぼやけていて読めない。
『これ、俺の名前っぽい』
『じゃあ、やっぱりあなたのことなのかな』
『分からない』
彼はそこで、ふと思った。
自分が事故に遭ったこと。
その後の記憶が曖昧なこと。
そして、写真が残っている日の翌日に
病院の記録があること。
全部が近い場所にある。
ただ、まだ事故そのものについては何も分からない。
『事故の日って、いつだったか覚えてる?』
彼女から届いた。
彼は少し考えた。
『日付は分かる』
『写真の日と同じ?』
『……違う』
『え?』
彼は古い記録を確認した。
事故の日は、写真の日の翌日だった。
つまり――
写真に残っていた日。
その翌日に、何かが起きた。
そして、その日から記憶の一部が抜けている。
彼女から、しばらく返信が来なかった。
やがて、
『じゃあ、写真の日は事故の前日だったんだ』
と届く。
彼は画面を見つめた。
事故の前日。
そこに写っている自分。
そして、その隣にいる誰か。
今までただの過去だと思っていた写真が、
急に違って見えた。
『だから、あの日のことだけ思い出せないのかな』
『事故の前日の記憶だから?』
『たぶん』
でも、まだ分からない。
なぜその人と一緒にいたのか。
なぜ写真が残っているのか。
そして、なぜ自分は
その人の顔だけ思い出せないのか。
彼は写真を見つめた。
すると、今まで気づかなかったことに気づく。
写真の端。
自分の手元に、小さな紙袋が写っている。
その横には、誰かの手。
その手には――
小さなキーホルダーが握られていた。
彼の胸が、突然ざわついた。
「……これ」
見覚えがある。
今も持っている気がする。
彼は部屋の中を探した。
机の引き出し。
鞄。
棚。
そして、奥にしまっていた小さな箱。
蓋を開ける。
中には、古いキーホルダーが一つ入っていた。
彼はそれを手に取った。
写真に写っていたものと、同じだった。
『見つけた』
彼は写真を撮って、彼女に送った。
『これ、今も持ってた』
彼女からの返事は、すぐには来なかった。
数分後。
一通だけ届く。
『……それ、私も持ってる』
彼は画面を見つめた。
言葉が出なかった。
二人が持っている、同じキーホルダー。
偶然なのか。
それとも――
事故より前から、
二人をつないでいた何かがあるのか。
まだ、その答えだけは分からなかった。