テラーノベル
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巳は、自分のことを冷静な人間だと思っている。
感情に流されない。
必要以上に誰かに肩入れしない。
物事は合理的に判断する。
……そう思っていた。
少なくとも、卯に会うまでは。
「巳ちゃん」
「何ですか、卯さん」
「これ、少し高いところにあるんだけど……」
卯と巳が棚の上を見上げる。
そして。
「……」
すっと手を伸ばして取った。
「!ありがとう」
「いえ」
「巳ちゃん、背が高くて助かるなぁ」
「……」
その笑顔。
それだけで、巳は少しだけ目を逸らした。
「……別に、大したことではありません」
数日後。
「卯さん」
「なに?」
巳は小さな袋を差し出した。
「これを」
「え?」
「あなた、最近甘いものを食べていないでしょう」
「なんで分かったの?」
「見ていれば分かります」
中には卯が好きそうなお菓子が入っていた。
「巳ちゃん、優しいね」
「違います」
「あなたが疲れているように見えたので、効率的な対策をしただけです」
「それを優しいって言うんじゃないかな?」
「……違います」
しかし。
卯が嬉しそうに笑うと。
「巳ちゃん、大好き」
「……」
巳は固まった。
「……卯さん」
「?」
「…そういう発言は、少し控えた方がいいですよ」
「え、どうして?」
「……」
巳は小さくため息をつく。
「あなたは無自覚すぎます」
コメント
1件
卯の「大好き」が刺さりすぎて笑ったわ。巳の「そういう発言は控えた方がいい」って冷静ぶってる顔が完全に照れてるやつじゃん。無自覚すぎる卯に振り回される巳、尊い……この二人の空気感、めっちゃ好き。
イグアナ丼
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