テラーノベル
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Rion side
「う、うぅ〜」
「!?」
ヤバい。つい本気で怒ってしまった。
月、さっき人前で泣かないって言ってたのに。
我慢してたんだろうな。
「辛かったな。月は頑張ったよ」
多分月に俺の声は届いていない。
俺はずっと月の背中をさすっていた。
これでいいんだ。
たとえ月の気持ちが俺に向かなかったとしても、俺は月のそばにいたい。
月を守ってやれるだけで充分なんだ。
俺は月の涙が引いてきたのを見計らって
「よし!帰るか!」
とわざと元気よく言った。
Runa side
あの後、 璃音は何事もなかったかのように接してくれた。
「璃音ってすごい優しいんだよね。」
そんな独り言を部屋でつぶやいた時、スマホが鳴った。
「璃音からだ。」
『この動画知ってる?』
送られてきたのは可愛い犬の面白い動画だった。
「ふふ。やっぱり優しい。」
きっと私を励ますために送ってくれたのだろう。
璃音のおかげか、その日の夜はぐっすり眠れた。
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