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「ああ、もう来てありますよ。」え?

俺の顔を見てすぐに受付の人は言った。俺と喋るのそんなに嫌?

「は、はあ…」

するとどこからともなく風樹が出てきた。

「よう。翠…あれ、ディアさんは寝てんのかー」

と言うと抱えていたディアさんのほっぺをつついた。

「はあーー、今日は君たちの免許系の申請行こうかなって思ってたんだ。超強引に2課に入れちゃったし、申し訳ないーと思ってて」

車に乗り込むまでに風樹はそう言った。

「ほら早く乗って。今日は飲みに行くんだよー」

「え」

まじか。と思いながら車に乗り込むと、幽の姿が見えた。

「全くね。どうしてもって風樹が駄々こねるから。」

幽が呆れたように言う。駄々こねるのがすごく目に見える…

「あはは…」

「今日はちゃんと貸切ですよ、そんな大きな店じゃないですけどね…」

幽の少し呆れた顔がミラーに写る。

「2課お墨付きのお店なんです。」

相変わらずこういうことだけはテキパキしている。さすがと言うべきか…

「ん…」

車の外を眺める。日が少し傾いている夕暮れ。

街は少しづつ忙しなくなっていく…

のんびりしていたが、やはり星霜が頭に浮かんでしまう…どうしても、あのショッキングな光景は忘がたい…

「何かあったの。」

運転席の優が俺にそう言う。

「いや…」

『このこと、まだ2課には言わないでね…』

星霜の言葉。それは厄介事を嫌う彼の本心なのか、はたまたそれに隠れて何かを隠しているのかは定かではない。

ただ、彼がそういうのならば俺はそれを守ろう。別に言いふらすことでもない…

「ふーん?」

納得いかないような声音で彼は返した。それでもこれ以上何も聞かれないように何も言わなかった。

ぼーっとしていると、眠気が襲ってくる。だがここで寝てしまえばまたか…となるだろうし、俺は必死に睡魔と戦った。ここ数日の疲れはしっかり取れてないようだ…

睡魔と戦っていると、グッと何かに掴まれる感覚がした。

「うわっ」

思わず声を上げたが、その犯人はディアさんだった。

「ディ、ディアさん。起きてたんですか…」

俺の動揺した声に全員が反応する。少し笑いが起きた。

「反応大きいな!もうこっちまでびっくりしたじゃないか〜」

笑い混じりに風樹が言う。

「ふふ」

「な!幽さんまで…」

おかげで目が覚めた。ディアさんも笑っている…

ーーーー

車を駐車場に停め、そこから少し歩く。

総務課のある海麻ヶ崎工業地区総合管理所の横、大きな通りがある。

その通りは「安泰通り」という名前がつけてあり、キラキラとした店の並ぶ通りである。

その通りから細い道へ少し入ると、ほんのり落ち着いた光が見えた。

そこに見覚えがある人影がひとつ。

「ウィローさん!」

「なんだか1日会っていないだけで久しい感じがするな…はは、とりあえず入ってくれ。」

全員と合流できたのでのれんをくぐり店に入る。

「よう!」「こんばんは」「いえーい!」

各々が入って挨拶をした。

「おう。やっと来たか…」

店の奥から声がした。カラカラと扉を閉め、カウンター席に着く。

奥からは人柄の良さそうな男性が1人。

「久しいな、皆…お、噂の大型新人とはこいつらのことか!」

その男性はこちらを向いてそういう。

「そうだよ!こっちが翠で、こっちがディアって言うんだよ」

少々食い気味に風樹が言う。俺はぺこぺこと頭を下げた。

「はは、やっと先輩になれたな〜風樹。」

「はじめまして。俺は珠柊…すーさんって呼んでくれ。名前呼びはあまり好きじゃないんだ。とりあえず、挨拶がわりにこれを。」

と言うと、とびきり美味しそうなオムライスを出してきた。なぜオムライス?と言う考えが頭をよぎったがまあいい。

「そしてそっちのちびちゃんに…」

と珠柊が言いかけた時、俺はディアさんの方からとてつもない殺意を察した。

「んんっごほごほ」

ここで俺の奥義・わざとらしい咳をすると、何事も無かったかのように颯爽とそのお皿を貰い

「ああありがとうございます!!!」

と言った。

「あっはは、なんでオムライス!!やっぱりすーさんおもしろいねー。ね、早くお酒出してよ」

1人勝手にテンションぶち上げしている風樹が目を輝かせて催促する。

「ハイハイ。もうわかったから…」

こうして宴は始まった…

ーーーー

数時間後。


「あっははは!!!ぼくめっちゃあたまいいんで!」

「…へえ〜そうなんだー」

「しんじてくださひよー。ぼくぜったひなんでもわかりますよぉー」

文面から理解できるように、風樹は酔っ払っている。

…多分これが当たり前なんだと思う。

このお店のご飯は絶品だった。どの品も本当に暖かい味がして人生でいちばん美味しいと言っても過言ではないほどに。

「はー、やっぱり甘いものは美味しいな!」

ディアさんはデザートのアイスを食べながらそう言う。少食の俺に比べたら沢山食べていて、そのからだからは想像できないほどだった。


「さて、そろそろ帰らないと。こいつたちをまだ連れて行ってないからな。」

「な。まだ連れて行ってなかったのか…掃除したの1週間前なのに。」

え待って連れて行くって何?どこに…?

少し冷や汗をかく。怖い。


「ごちそうさまでしたー」

ーーーー

あたりはすっかり暗くなっている。当然だろう…

「ぼくはぁ…」

クタクタになっている風樹をウィローが支えている。

「さて、そろそろ君たちを連れていかなければね…」

幽が少し声音を変えて言う。それに俺たちは怖気付いてしまった…



どこに連れていかれるのだろう。




つづく




すいませんサボってましたすいません

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