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🦍(独身)←🍆片思い
御本人様とは関係しません。
あくまでもフィクションです。
ご了承下さい。
誰もいない小さな公園。
日が暮れ始め、辺りが暗くなり始めてきている。
俺はベンチに座って先程の出来事を思い出し、嘆く。
『はぁ…何であんな事言ったんだろ…』
とあの人の事を考える度に後悔が尽きない。
1時間前…会議室にて
ドズルさんは俺等の会社の社長であり、仕事上では頼りになる相方として、毎日タイトな仕事をこなす男。
そんな男にずーっと片思いしてる俺。
ただ…休み無く働く彼を見て、いつか身体を壊すのでは?と心配するのだが、当の本人は気にもとめず、今も忙しそうにPCに向かって仕事をしている。
社長ともなれば、会社経営や企画戦略等を考察・対応しなければならない重責を担う立場だ。
多大なストレスや責任も背負う役職だからこそ、少しの空き時間がとれたら心身共に休んで欲しかった。
それなのに…
「ネコおじ、この件だけど…もう少し…こんなカンジにできない?」
「ねぇMEN、さっきの事なんだけどさ。こういうやり方ってどうかな?」
「オンリーこの前出してくれた企画の件で話しがあるんだけど…」
「おらふくん、次の歌みたの件ってどんなカンジで進んでる?」
「営業部、この企画書もう少し具体的に詰めてくれないかな?…うん、そうそう。そこちょっと改善したいね…」
おいおい…
貴方はミーティングの鬼か?!
頼むから少し休めって…。
いつも以上に忙しく働く彼を見て、
俺は深い溜息をついた。
ドズルさんは、そんな俺に気づいたのか…
「ぼんさん、疲れました?ちょっと
タバコでも吸って休憩して下さいよ」
と、自分の疲れより人の心配をして…
『年なんだから、無理しちゃダメですよぉ』と笑顔で俺を気配りながら仕事を続ける始末。
いつもなら、『そぉ?じゃあ…お言葉に甘えて、ちょっと行ってくるわ』って休憩するのだが…
今日の俺は、働き過ぎる彼を見て不機嫌になっていたのもあり…
「別に疲れてないし。え、何?俺ココに居たら邪魔?」
と、いつもなら絶対言わない返答をしてしまった俺。
それを聞いたドスルさんが驚いた様子でこっちを見る。
「イヤイヤ、ぼんさん違うよ。そうじゃないって…」
困惑したドズルさんの言葉。
しかし、その返答に被せるように…
「あのさー、俺の事は気にしないでいいからさ、もっと自分の事心配してくれない?」
「実際…この前貴方体調崩してたよね?!それなのに無理して仕事して、余計悪化して大変だったじゃん 」
「しかも、今日は今日で朝方近くまで配信してたよね?その上、休憩無しで仕事して…何なの?また体調崩したい訳?」
「心配するこっちの身にもなってくれよ。なぁ…頼むからさ、自分の身体をもっと大切にしろって!」
って段々ヒートアップして、矢継ぎ早に言う俺。
それ を見て、ドズルさんやメンバー、スタッフ全員ビックリして沈黙する。
『しまった…』と思った時には、取り返しがつかない雰囲気になってた。
「ぼん…さん…」
戸惑いながらも悲しそうに呟くドズルさん。
俺は最悪だ…。
自分のイライラを愛しい人にぶつけて…なんて顔をさせてんだ…と自分に怒りが湧き…
「…ゴメン…帰るわ」
その場に居るのが耐えれなくなり、
会議室を後にした。
ドアを閉める直前にドズルさんが何か言ってたが…もう後戻りはできなかった。
で…今に至る。
「うわーー…やっちまったーー」
頭を抱え、溜息をつきながら自分のやらかしを嘆く。
「何でドスさんを悲しませてんだよ…
何してんだ…俺は…バカか…」
と 自己嫌悪に陥る。
震える手を握りしめながら、背中を丸め狼狽える。
「ドスさん…ゴメン。 俺はなんてことを…」
言ってしまったんだ…と言おうとした時、後ろから
「そんな事ないですよ」
と声が聞こえた。
声のする方へ顔を向けると、ドズルさんが俺の座っているベンチに近づき、隣に座った。
ハッとした俺は、ドズルさんに合わせる顔がないと思い、その場から離れようとして立ち上がる。
しかしその瞬間、ガシッと俺の左腕を掴み
「待って!ぼんさん…行かないで」
と苦しそうな顔をして、必死に俺を止めようとした。
そんなドズルさんを見て、『またこの人にこんな顔をさせてしまった…』と心が痛んだ。
流石にこれ以上この人を傷つけたくないという気持ちが勝り、再びベンチに座る。
…長い沈黙が続く。
ドスルさんは掴んだ俺の左腕を一向に離さない。
こんな状況で不謹慎かもしれないが…
『この温もりがずっと続けばいいのにな…』と考えた。
しかし、そういう訳にはいかないだろうと考え…
「ドスさん…ねぇ、腕離して」
「…イヤです」
「…ドスさん…」
「今…手を離したら…ぼんさんが俺の前からいなくなりそうな気がするからイヤです」
「…ドズさん、俺どこにも行かないよ」
「…本当に?」
「…本当。だから…ドスさん離して?
俺等のこんな姿を他の人が見たら…さ、変な誤解を生むから…ね?」
俺の腕を掴んでいるドズルさんの手を、もう一方の手で優しく添えた。
納得したのか、ドスさんはようやく手を離してくれた。
「あんな事…言って…ゴメン。」
と小細い声で謝る。
「ぼんさんは悪くないですよ。寧ろ、ぼんさんに心配かけてしまって…本当にゴメンなさい」
とドズルさんが謝る。
その言葉を聞いて、ドズルさんを見つめていたら…
「ぼんさんはいつも優しい…ね」
とボソッと呟く。
『そう?そんな事ないよ』ととぼけて首を傾ける。
「ぼんさんは優し過ぎるよ…。だから、その優しさに甘えちゃうんだ…」
とドズルさんが目をそらして呟く。
「俺は…優しくないよ。さっきもスゴい剣幕でドスさんを責めたでしょ?」
と問いかけた。
「俺は…優しくないよ…ホントに…」
「ただ…本当に好きな人には無理してほしくないから…つい言ってしまうよね」
と言った直後、ドズルさんが『え?』っと俺を見た。
『…へ?俺… 今…何言った?』と自分の言葉を思い返し…顔が真っ赤になった。
「えっ、いや…あの……」
と口籠ると
「ぼんさん、その…好きな人って…相方として…?それとも…恋愛対象として?どっち…なん…ですか…?」
とドズルさんも顔を真っ赤にして俺に問いかける。
「・・・・・」
互いに見つめ合い…無言の時間が続く。
気まずさからか…ドズルさんが目をそらした時、俺は思った。
今この気持ちを伝えなかったら、この先ずーっと自分の気持ちに蓋をして…
後悔しながら生きていくんじゃないか…と。
でも、気持ちを伝えたとて…今の関係がダメになったら……いや、でもなぁ……
と心の中で葛藤した。
そして… 俺は腹を括った。
「恋愛対象として…ドスさんが好きだ」
ドズルさんは、目を見開き、驚いた顔を見せたが…すぐに俯いた。
『やっぱり…そうだよな。男からの告白なんか…気持ち悪いよな…』と思い…
「……ゴメン、ドスさん。…気持ち悪いよな俺。…本当にゴメン。今の無し!無しにしよう。ね?聞かなかったことにして…」
とあたふたしながら言う俺…情けな…。
「忘れてくれ…ドスさん」
と言い残し、今度こそ帰ろうと立ち上がった瞬間…俯いたままのドズルさんが呟いた。
「…忘れられません…」
「聞かなかったことなんて…できませんよ…」
顔を上げ、俺を見上げたその目には…
涙が溢れていた。
そんなドズルさんを見つめていたら…
動けなくなってしまった。
「ぼんさんからの…その言葉。一番聞きたかったんですよ。…だから…忘れるなんて…できませんよ」
と、一筋の涙を流しながら嬉しそうに微笑むドズルさん。
…えーーっと…、これは…夢なのか?
それとも現実なのか?と訳が分からなくなり… 座りなおして、 ドズルさんに
『…え?えっ?本当?』と尋ねる。
ドズルさんは笑顔で 『本当ですよ…』と涙を拭いながら答える。
俺はそんな彼を見て、
『今伝えなきゃ…』と奮い立ち、ドズルさんの手を握って伝える。
「ドスさんが好きです」
「これから先も…貴方のそばにいたい」
それを聞いたドズルさんは『なんか…プロポーズみたいですね』とクスッと微笑み、
「僕もぼんさんが好きです。ずーっと前から好きでした」
と答え、お互い見つめ合う。
俺はドズルさんを抱きしめたかったが、ここは外。世間の目があるので、ドズルさんの手をとって甲に『チュッ』とキスをした。
突然の出来事にドズルさんはビックリしていたが…でも 嬉しそうに俺の手を握り返してくれた。
この時間がずーっと続けばいいのに…と思ったが、この人のことだから仕事を途中で投げ出して、俺を探しに来たんじゃないか?…と思い
「…ドズさん、帰ろうか?」
「…そうですね。」
「仕事…まだ残ってるんでしょ?」
「…ははっ、バレました?」
「…手伝いますよ。つーか…こうなったのも俺のせいだし…手伝わせて下さい」
「フフッ、ありがとうございます」
ベンチから立ち上がり、二人一緒に肩を並べて会社へ向かう。
『夕飯は、ぼんさん奢って下さいね』と笑いながら笑顔をみせる貴方。
ドズルさんの笑顔に照れながら、
『ハイハイ』と答える俺。
その先もこの人と歩んでいこう。
貴方を守りながら…愛し続けるよ。