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ガチャ、バタン。
寝室に来た二人は迷わずぽつんと置かれた一つのベッドへと向かう。
男二人が寝るには狭いベッドの上に二人は並んで腰かける。
ぎし。
ベッドが二人の体重を受け止めて軋んだ。
レナトスがオーターにキスをしようと顔を近づけ、あと数センチというところでオーターの右手がそれを阻止した。
その様はまるで、飼い猫が飼い主のキスを前足で拒否するのを連想させる。
(また駄目か。)
オーターに口を塞がれたままのレナトスが残念そうに心の中で呟く。
すると、先程から無言だったオーターが塞ぐ手をそのままに口を開いた。
「私達の間にそのような行為は必要ないでしょう?」
「ああ・・・そうだな。」
自分の口を塞ぐ手をそっと外しながら、レナトスが静かに呟いた。
二人は肉体関係こそあれど、恋人同士ではない。
所謂セフレというやつだ。
だが、少なくともレナトスはオーターに対して好意を寄せていた。
ー初めて共に任務に行ったあの日から。