TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

雨の日の密会

一覧ページ

「雨の日の密会」のメインビジュアル

雨の日の密会

3 - レナトスとオーターのちょっと昔の話①

♥

402

2024年12月29日

シェアするシェアする
報告する

ーここで時は少し昔に遡る。

レナトス・リボルは『不死』である。

たとえ四肢を分断され、細切れにされようとも死ぬ事はない。

そのため彼はその『不死の肉体』を武器とし、魔法界を脅かす敵に敢然と立ち向かって行く。

部下が危険に晒された時にはその身を挺して守る。それがレナトス・リボルという男だ。


レナトスは、神覚者に就任してから日の浅い砂の神覚者のオーター・マドルと任務でバディを組む事になった。


「よろしくお願いします。リボルさん。」


(リボルさん、ね。)


「何か?」

「いんや何も。よろしくな。」


オーターの『よろしく』と言っているわりに素っ気無い態度にレナトスは内心苦笑しながらも挨拶を交わした。


(ま、神覚者は死と隣り合わせの危険な仕事だ。情がわかねえように必要以上に関わらないってのは利口かもな。)


そう思いながらレナトスはオーターと共に任務へと向かうのだった。


*****


「ふむ。新人一人では大変だと言っていましたが、そうでもなかったですね。これなら私一人で十分でした。」

「いや、容赦ねえしすげえなお前。」


二人に与えられた任務とは、犯罪者の捕縛であった。犯罪者達はレナトス達を見るや否や即座に逃げ出したので、レナトスが捕えようと動くがそれより先にオーターの放った砂の魔法が彼らを拘束し、殺さない程度の力で締め上げたのだ。

地面には既に意識を失った者とかろうじて意識を保っている者が転がっていた。


「・・・・・。」

「・・・・・。」

「・・・・・。」

「うう。」

「さて、早く連行してしまいましょう。」

「あ、ああ。そうだな。」


冷ややかな目で彼らを見ていたオーターがそう言いながら、犯罪者達の元へと歩き出したのでレナトスも彼の後に続いた。倒れている彼らの元に二人が着いた、まさにその時、


「ッの・・・クソがぁ!」

「・・・・ッ!」


かろうじて意識があった犯罪者の男の一人が起き上がり、どこに隠し持っていたのか、ナイフを取り出しオーターに襲いかかった。

が、ナイフが彼に届く事はなかった。

何故なら、


「オーター!!」


グサ!


レナトスが咄嗟にオーターと男の間に入り、代わりにナイフを腹に受け止めたからだ。


「ゴフッ。」


ツー。

ボタボタ。


レナトスの口と腹から血が流れ落ち、口元と紫色のベストの一部分を赤く染める。


「なっ!」

「リボ、ルさん。」


男がナイフを握りしめたまま驚きの声を、オーターが力無い声をそれぞれあげた。

レナトスは刺さったままのナイフをそのままに、驚き力の緩んだ男のみぞおちに一発拳をお見舞いし気絶させた。


「がっ!」


ドサ。


「ったく、手間かけさせんなよ。あー、痛え。」


レナトスは自身の腹に刺さったままのナイフを掴み強引に引き抜いた。


(はあ。思ったより傷深くなくて良かったぜ。)


「・・・リボルさん。」

「!」


ナイフを引き抜き、傷口を確認しているレナトスにオーターが後ろから声をかけた。


(こりゃあれだな。俺が出なくても自分でどうにか出来たとか余計なお世話だとか言われる流れだな。めんどくせえ。)


「あー悪かったよ、余計な真似し・・・うお!」

「傷見せて下さい。」

「えっ、おい!」


レナトスの予想に反してオーターは、彼の刺された腹を見ようと服を脱がさんばかりに触れてくるので、レナトスは慌ててオーターの手首を掴み制止の言葉をかけた。


「待て待て!不死の俺ならこんくらいの傷、どうってことねえよ!」

「・・・本当ですか?」

「嘘じゃねえ。ほら見てみろ。」

「!」


レナトスが服をめくると、彼の言う通り男に刺された傷はすっかり塞がっていた。

それを見てオーターは安堵の表情を浮かべ小さく息を吐いた。その様子見たレナトスは「へえ。」と声を上げながらオーターをジーッと見つめた。


「・・・何ですか、人の顔をジロジロと。」

「いや、意外だなと思ってよ。」

「はい?」

「お前ってプライド高くて機械人形みたいな奴かと思ってたからさ。そんなに心配してくれるなんて思わなかったぜ。ありがとな。」


サラッと失礼な事を言いながら、ニカッと人懐っこい笑顔を向けるレナトスにオーターは、目をぱちくりさせた。


(お、また新しい顔。)


レナトスは何だか嬉しくなり、オーターを見つめた。しかしレナトスの視線に耐えられなくなったのか、オーターはくるりと背を向けてしまった。


「・・・私の目の前で死なれでもしたら、夢見が悪い。ただそれだけですよ。」

「ふーん?」

「ほら。いつまでも立ち話をしていたら、この方達が起きてしまいます。気絶している間に連行しますよ。」

「へいへい。」


二人は立ち話を切り上げ、気絶したままの男達を連行して行くのだった。男達を連行して行く間、レナトスは先程の不死である自分を心配してくれたオーターの事を何度も思い返しながらこう思った。


(もっとコイツの事知りたいな。)


ーそう、思った。



loading

この作品はいかがでしたか?

402

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚