・・・
「何ボーッとしてるの?大丈夫?」
不思議そうに彼女は僕の顔を覗き込んでいる。
いつの間にか授業が終わっていたようだ。
嗚呼いけない…。
今日の半分も無駄にしてしまった。
「ああ、なんでもないよ、ありがとう」
昔のことに思いふけりすぎたようだ。
(今日はきっと授業に集中できないな…)
そう思った僕は、屋上へと向かおうと席を立ったその時
「どこいくの」
と、彼女が腕を掴んできた。
そんな彼女はどこか不安げで泣きそうで、あったばかりのはずの彼女がなぜそこまで僕に構うのかが気になった。
だから僕は、彼女にこう問いた。
「君は一」