テラーノベル
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俺が昔一度吸血した時
それはまだ子供だったから、自分で吸ったのか用意されたものを飲んだのかわからない
それにこの蒼い月が一定の周期で巡ってくるとは限らない
今回は100年だったが、次は10年かも知れないし1000年かもしれない
だからこの体の辛さを味わったのは本当に昔の事
街に出て適当な人間を探してくるのも面倒だ
そこにちょうど舞い込んで来たのが白狼だった
どうせならもう少し丸くて美味しそうな奴が良かった
そう思ってたのに‥‥
俺の前に差し出された首筋
何故かその体の全てが欲しいと感じた
いや、今はそんな事考えている暇はない
どうせこんな痩せた体
美味しい訳はない
そう思ったのに‥‥
「んっ‥‥あっ‥‥!」
「‥‥‥‥っ」
人間の血だってこんなに美味いと感じたことは無い
それなのにコイツの血はなんて甘いんだ‥‥
もっと‥‥
もっともっと欲しい‥‥
鼓膜を震わせる声と共に体内に運ばれる血が体中に巡るたび、俺の体が熱くなる
もっと欲しくて牙をロウの中に沈めて行ってしまう
このまま全部欲しくなる
「っ‥‥待って‥‥葛葉さ‥‥」
ロウの体から力が抜け、床に崩れ落ちそうになるのを感じ、俺は慌てて首筋から唇を離した
俺はどうしてしまったのか
こんなに何も考えられないくらい夢中になって‥‥
彼が洗面室に行った後
俺の口元に残ったロウの血を綺麗に舐めとった
体の中の熱が暴れて落ち着かない
アイツはどうしてるんだ?
ロウももしかして体に何らかの変化があったんだろうか
俺は洗面室の前まで行くと扉をノックした
「‥‥っ!‥‥‥‥はい」
「あの‥‥体、大丈夫かと思って」
「大丈夫です。血のついた所綺麗にしたら出ますから、もう少し待ってて下さい」
「俺もしかしてちょっと血を吸いすぎたかもしれなくて‥‥貧血にならないか心配で‥‥」
「‥‥少し怠い気がするけど、今のところ大丈夫です。今日一晩休ませてもらえれば‥‥良いですか?」
「あ‥‥‥‥そう。良いけど‥‥」
俺は言いかけた言葉を飲み込んだ
どうしようか
結局伝えなければならないんだけど‥‥
こんなことならちゃんと最初から伝えておけば良かったな‥‥
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コメント
7件
最高です!本能が欲しがってるのってすごく運命感じます!こういうお話なんだかケーキバース(地雷でしたらごめんなさい)を思い浮かべてしまいます!続きが楽しみです!
いつも同じコメントで申し訳ないですけど、めっちゃくちゃ面白かったです( 💓∀💓)