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洗面室の中
ふらつきながら鏡の前に立った
乱れたローブの襟には血が滲んでいる
鏡に映る自分の姿
その首筋には二つの咬まれた痕
赤黒く痛々しい
そこの場所にそっと触れてみる
「っ‥‥え‥‥?」
痛くない‥‥
それどころかジンジンと甘い疼きが広がった
なんでこんな所で‥‥
持て余した体はすぐにその快感を形に変えた
考えている暇はない
早く処理してしまわないと‥‥
俺はバスローブの中に手を入れ、自分のものを扱き始める
「っ‥‥畜生っ‥‥なんで俺がこんな‥‥んっ‥‥」
手を早めながらもう片方の手で首元を撫でた
「あぁっ!‥‥んっ‥‥!‥‥くっ‥‥」
信じられないくらいの気持ちよさに手の甲で唇を押さえる
壁に背中を預けると扱く手に力を込めた
「はっ‥‥あぅっ‥‥!ぁ‥‥あっ!‥‥」
あっという間に達し、また床に寝たり込んだ
こんな体‥‥自分のものじゃないみたいだ
その時部屋の向こうからノック音が聞こえる
俺は慌てて水で手についたものを洗い流す
葛葉さんが何か俺に話しかけている
だが、俺は今それどころではない
急いで体を綺麗にしてここから出ないと‥‥
ただ体が怠すぎて思う様に動けない
これは葛葉さんが言っていた様に、血を吸われすぎて怠いのだろうか?
このまま家を出ては魔物達と戦えないかも知れない
だったら今日一晩だけ泊まらせてもらってもいいだろうか
葛葉さんに尋ねると、なんとも歯切れの悪い返答
俺がこんな思いしてんのに‥‥
でもとりあえず了承は得た
新しいバスローブを纏い、洗面室から葛葉さんの部屋に出る
葛葉さんはベッドに腰を下ろし、頭を抱えて座っていた
「具合‥‥悪いですか?」
「いや、そうじゃないんだけど‥‥」
「でも‥‥」
「あのさ‥‥まだお前に言ってない事あって‥‥」
葛葉さんの言葉の途中で部屋の扉がノックされる
そして入ってきたのは服を持ってきた召使だった
「すいません小柳様、こちら寝る時に来てください」
「ありがとうございます」
俺が泊まることを伝えてくれたのだろう
そう思ったけれど‥‥
「明日こちらの服はそのままベッドに置いてくださりましたら新しい服をまたここに置いておきますので」
「はい、ありが‥‥えっ?」
新しい服?
俺明日ここを出るのに?
「どうかなさいましたか?」
「俺明日帰りますけど?」
「えっ?‥‥サーシャ様‥‥もしかして」
「‥‥まだ伝えてない」
「あの‥‥小柳様‥‥まだあなたを帰すわけにはいかないのですが‥‥」
「え‥‥なんで‥‥?」
葛葉さんと召使が遠慮がちに視線を交わしてる
「すいません‥‥サーシャ様は3日間吸血しないといけないんです‥‥だから‥‥」
「‥‥聞いてないんですが」
「‥‥いいよ別に」
「サーシャ様⁈」
ふいっと顔を背けられた
俺だって聞いてなかったんだからこのまま帰ってもいいはずだ
それなのに素直になれない彼を見た俺の口が勝手に動く
「俺の血が欲しくないのか?」
「だからいいって‥‥」
「素直に言ったら居てやってもいいけど」
「‥‥本当?」
急に素直になるなんて
それはズルいかもしれない
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コメント
5件
ツンデレ気質な2人が混じり合うことで少し素直な面も摂取できる!最高です!続き楽しみにしてます!