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〇〇「っ・・・・・・」
禍々しく変貌を遂げたヴォックスの姿に、改めて自分が対峙しているのは人間ではないのだと思い知る。
思わず一歩退いてしまいそうになると、隣で小さな溜息が聞こえた。
アラスター「やれやれですねぇ・・・まるで品性の欠片もない」
アラスター「もう一仕事、ですか。まったく忙しい日ですよ・・・本当に」
そう呟きながら、アラスターはヴォックスに向かって一歩前へ出る。
ステッキを手に前を見据えるその目は好戦的で、どこか加虐的な笑みにさえ見えた。
――――しかし、ふとその横顔に汗が一筋流れるのが見えた。
〇〇(アラスター・・・・・・?)
よくよく見れば、笑顔をたたえるその口元は少々引きつっており、
目元は時折、何かを堪えるようにひくりと震えている。
〇〇「アラスター、貴方・・・・・・」
・・・どうして、気がつかなかったのか。
なぜ、そこに思い至らなかったのか。
操られていた私が彼につけてしまった裂傷。
そして、多少浅くとも先程の戦いで新たに負わせてしまった傷。
天国の武器は悪魔に取って天敵であり、その傷はひとつでさえ致命傷・・・そう誰かが教えてくれていたのに。
アラスターの強さの印象だけが先行して、見逃していた。
彼の身体はもうとっくに限界で、とても戦えるような状態じゃなかったんだ。