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〇〇「アラスター・・・ごめん、下がっていて。私が・・・!」
アラスターに駆け寄って一歩前へ出ようとすると、
眼前に見慣れたステッキがかざされ、行く手を阻まれた。
アラスター「いいえダメです。・・・ここは私が」
アラスター「散々好き勝手されましたからねぇ・・・このままでは、腹の虫が治まらないのですよ」
〇〇「でも・・・・・・!」
それでも、彼がここまで無理をする必要などないはずだ。
ヴォックスの口ぶりから、彼らの間に何かしらの因縁があるのは薄々気づいていた。
それでも、決着をつけるのは何も今じゃなくても良いはず。
無理せず逃げるという選択肢だって、あるはずだ。
こんな身体で無理をして、今にこだわる必要などないはずなのに。
どうやってアラスターを説得しようかと考えあぐねていると・・・
アラスター「・・・・・・〇〇」
私の隣で前を見据えたまま、アラスターは小さく私の名前を呼んだ。
アラスター「こんな因縁など抱えて・・・貴女、笑って暮らしていけるのですか」
〇〇「・・・え・・・・・・?」
真剣な声音で問いかけられ、思わず言葉に詰まる。
アラスター「生前の罪を知り、深く後悔して後ろめたさを抱いたまま・・・」
アラスター「この場で清算せずとも心から笑って生きられるなら、私も身を引きましょう」
アラスター「ただ、少しでも気がかりが残るのなら・・・手を貸さないこともない」
アラスター「・・・そう言ってるんです」
私の目をまっすぐ見て、アラスターはそう告げる。
アラスター「言ったでしょう。“笑っている方が、貴女には似合っている”と」
〇〇「アラスター・・・・・・」
私とアラスターがヴォックスから逃げおおせても、私の確執は消えるわけじゃない。
いつか必ず、よりいっそう大きな歪みとなって私たちを飲み込もうとするだろう。
今ここでちゃんと向き合って、この歪んだ執着に決着をつけろと・・・そう言われているような気がした。
そして、アラスターがそれに手を貸すと言ってくれているのだと。
アラスター「・・・・・・さあ、選ぶのは貴女ですよ。〇〇」