ある所に人助けならぬ、ゆっくり助けに生涯を捧げているゆっくりがいました。生涯を捧げているだけあって、そのゆっくりは有名になっていきました。有名になったことで、そのゆっくりの周りにはたくさんのゆっくりがいつも集まるようになりました。皆そのゆっくりを見に来るのです。
しかし、集まったゆっくりが邪魔になって、肝心のゆっくり助けが上手くできなくなってしまいました。
集まったゆっくり達は、ゆっくり助けが上手くできないゆっくりを軽蔑し、そのゆっくりの評判は地に落ちてしまいました。そして、そのゆっくりは皆から蔑んだ目で見られたことにとても心を痛めました。
それでもめげずにゆっくり助けを続けたゆっくりですが、ある時流行りの病気で倒れてしまいました。体調管理は誰が見ても完璧なくらいでしたが、ゆっくり助けの際に誰からかもらってきてしまったのです。そんなゆっくりの元に、こんな手紙が届きました。
「お前のせいで私も流行り病にかかった。お前がうつしたからだ、お前が気をつけなかったからだ、お前のせいだ。」
そして、そのゆっくりは絶望を感じながらこう思いました。
「何故私が責められなければならない?
私はいつだってゆっくりの為に尽くしてきた。なのに勝手に私を悪く思って評判を下げたり、不可抗力を私のせいにしたり…私が助けてきたゆっくり共は、こんなにも悪いゲスだったのか!
私のしてきたことは、誰にとっても私にとっても悪いことだった!ゆっくり助けとは悪いことだったのか!」
そうして、そのゆっくりは二度とゆっくり助けをしなくなってしまいました。
ゆっくり助けがされなくなった影響で、助けられた様々なゆっくりが不便を強いられることとなりました。しかし、集まっていたゆっくり達は偶然にもゆっくり助けをされたことがありませんでした。そうして、自分達のしたことは過大評価を修正した善行であると互いに信じ合ってやまないのでした。
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