そしてセンセーの部屋の前。
コンコンとノックをする。
「 あ、あの…センセー!!市松です…!市松幸仁です…! 」
……反応が…ない…
えぇい。もう一度…
「 あの…!!市松幸仁です…!!筆花センセーはいらっしゃいますか…?! 」
あ…返事が…ない…
「 ここだよ。 」
横からセンセーが私の肩をぽんと叩いた。
「 あ、センセー!!お、お久しぶりです!! 」
「 うん。久しぶり。まぁ絵の中で私は幸仁に会ってるけどね。 」
「 やっぱりセンセーは凄いですね…!あ、あの…今お時間良いですか…? 」
「 うん。全然いいよ。それに立ち話もあれだし中入って。ちょっと綺麗にした方だから 」
そしてセンセーは自室の扉を開いて中に入れてくれる。
部屋は油絵具とか画材が転がっていて描かれた絵が乱雑に置かれていた。
そして部屋の奥に作業用の机。
真ん中には来客用か物置用の机と二つのチェストが置かれていた。
「 そこ、座ってて。 」
「 あ、はい! 」
私は椅子に座って辺りを見渡す。
「 なにも珍しいものなんか無いでしょ? 」
「 いえいえ…!全部興味深いですよ…!! 」
「 ふーん…物好きだね。幸仁も。 」
そしてセンセーは私に油絵具一式と画用紙を渡した。
「 はい。これで今ここから見える夕日。書いて。 」
センセーは窓から見える綺麗な夕日を指さして言った。
「 夕日…ですか? 」
「 うん。 」
それから私は懸命に書いた。
夕日を見ながら色をつけた。
「 〈 雨傘 〉 」
桃色の光を放つ手元にゆだねて色を塗る。
コメント
4件
見るの遅くなっちゃった、、💦 更新ありがとうございました。本当に面白かったです!励みになります!
めっちゃ素敵です … !! やっぱり物語書くのうますぎです … 🫣