TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

「ママ、お腹空いた~」



可愛い可愛い我が息子。



「ごめんなさいね。一緒におやつを食べましょう。ママの手作りクッキーよ。とっても美味しんだから」



「ありがとう、ママ」



「マリエ、君も仕事が大変なんだから、子育てはある程度、家政婦に任せてもいいんじゃないか? 僕は君が心配なんだ。頑張り過ぎだよ」



いつだって私を心配してくれる優しい旦那様。



「大丈夫よ、これくらい。お菓子作りは大好きですもの」



仕事ができる旦那様と可愛い息子に囲まれて、私は幸せだ。



藤間フーズの業績も、彼が社長に就任してから、かなり伸びている。



経営手腕のある彼とお見合いして、お父様もすごく喜んでくれてるし、私も藤間フーズの役員として会社を守りたいと奮闘している。



最初は戸惑いもあったけど、今は……本当にとても幸せ。



嘘じゃない。



あの時、慶都さんが私にサヨナラを言わせてくれたから、私は結婚に踏み切れた。



『マリエは必ず幸せになれる』



そう言ってくれたおかげ、だから感謝してるの。



でもね、あの時私は「彼はあなたよりもずっと素敵な人」って言ったけど……



本当は……



慶都さんより素敵な人なんて、この世にいない。



今は、会社のために頑張って仕事をして、藤間フーズをいつか食品業界のトップにしたいと思ってる。



将来、自信を持って息子に社長を譲れるような会社に。



大切な家族と一緒に、大切な会社を絶対に守り抜いてみせる。



「クッキー美味しい。ママお菓子作り上手だね」



「嬉しいわ。また作ってあげるから」



「僕も1口」



「あ~パパも食べちゃった」



「大丈夫よ、まだまだあるからね。パパにもわけてあげましょう」



「は~い」



「美味しいよ。マリエは良いママだな。いつもありがとう」



「僕もママ大好き~」



「パパもママが大好きだ」



こんなに幸せなんだから……



慶都さんのことは、もう、ちゃんと忘れられる。



見ててよ、慶都さん。



私は、もっともっと幸せになるんですから。



あなたが私をフッたことを……後悔するくらいにね。

loading

この作品はいかがでしたか?

21

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚