テラーノベル
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『彼等が死ぬか。私が死ぬか。』
〜Will you continue to die every day
or will you face Tomorrow?〜
※死ネタです。苦手な方は🔙お願いします。
ベリ主、ロノ主。それぞれの視点でお楽しみ下さい。
Day.5『フェネス・オズワルド』
夢は必ず覚めるもの。だけど、繰り返すのを分かっているのなら、このまま覚めなくてもいいんじゃないかな。悲しみが増える前にここで終わらせてしまいたい。
ハウレスが亡くなり、夢はまだ覚めない。
いつもならここで夢が覚めている。
どうしてなんだろう。歪んでいるみたいだ。
時空が、夢の回廊が。
『ハウレス…。』
冷たい身体は何も応えない。既に屍だから。
(ごめんね、また繰り返すことになる。私。)
グイッ。
涙を拭い、部屋を出る。
『あ、主様…。』
『フェネス……。』
フェネスが心配そうな顔をして私を見つめる。
『…っ。』
次は彼。そう思うと胸が痛い。見ていたくない。
『っ…!』
私は頭が痛くなりその場に倒れ込む。
『主様!』
『気を失ってる…。』
『寝室に運ぼう。フェネス君。』
『は、はい。』
俺は主様をお姫様抱っこしてベットに寝かせる。
『……主様。…ぁ、っ。』
言葉を発そうとしたが喉の奥でつっかえて声が出ない。言わなくていいかもしれない。
そうだ。黙っていよう。
次の日――。
『日付が…』
(もう嫌だよ。耐えられない。逃げてしまいたい。でも、元の世界に帰っても私の知らないところで誰か死ぬ。そして、私がいても、誰か死ぬ。)
私こそが…この悪夢の根源じゃないのか?
自暴自棄になって仕方ない。もう…繰り返したくないのにな。
○月✕日 今日はフェネスと屋敷で過ごす日。
私は本の栞をフェネスと作ることになった。
『こうして、花の押し花をしおりにするんですよ。』
『わかった、ありがとう。じゃあお花を決めるところからだね。』
『はい。一緒に探しましょう。』
残酷かな。今だけは楽しく、消して悲しい顔をせず過ごすというのは。ううん。これでいい。
貴方に要らぬ心配はかけたくないから。
『ね、フェネス、これなんてどう?』
『綺麗ですね。それにしましょう。』
今だけはどうか笑顔を絶やさずに。
書庫
『……。』
この思いを……どうか受け取って欲しい。
私のこの…溢れ出る思いを。そしてどうか――。
私は隣にいるフェネスを見つめる。
私の為に死なないで。
『主様?』
『…。なんでもないよ。』
『……?』
あぁ、もう時間だ。
ヴーヴーヴー
天使の警報が楽しい時間を終わらせる。
『主様、力の解放をお願いします!』
『うん。分かってる。』
私は本を開く。
『来たれ、闇の盟友よ。我は汝を召喚する。ここに悪魔との契約により、フェネスの力を解放せよ。』
『ありがとうございます。では行きましょう。』
『うん。』
フェネスの手を取り、街へと走り出す。
エスポワール
『そんな、酷い……。』
街は天使によって荒らされ、家も街もめちゃくちゃになっていた。
『来たか。悪魔執事。』
『っ、スローン……。』
『気安く呼ぶな。ふん…。』
『許せない…。こんな…。』
『お前は…悪魔執事の主か。ふっ。いいだろう。まずはお前から殺してやる。』
『主様、下がってください。俺が守りますから。』
『フェネス…っ。』
フェネスは武器を構えた。
『大丈夫です。俺は必ず貴方を守ります。』
繋いだ手が離される。
行かないで。
どうして、言えなかったんだろう――。
『はぁぁ!!』
『フェネス…。』
ユラッ…。
『え……?』
『死になさい。命の為に。』
ドゴォンッ!!
近くに下級天使が現れ、家が破壊される。
『きゃぁぁ!』
グラッ。
その衝撃でレンガが落ちてくる。
『っ…!』
『…!!主様――!!』
俺は武器を捨てて走り出す。
(お願い。間に合って―――。)
『…で。…す。』
『え…?』
(なんて言ったんですか…?よく聞こえない…。)
『来ないで!フェネス……!!』
『っ……!!』
ザクッ!
『……カハッ!!』
『脆いな。人間というものは。弱くて、反吐が出る。』
スローンの攻撃がフェネスを貫く。
ドサッ。
あと少しのところで、フェネスは倒れる。
『……。』
『フェネス、フェネス…っ!!』
私はフェネスを抱き上げて起こす。
『あ、あるじ、さま…ご無事で…。』
『私は…かすり傷よ…。フェネスの方が…。』
『俺は、いいんです…貴方を…守れた。
それだけで…。』
『っ……意味ないんだよ。貴方が…フェネスが生きてなきゃ意味が……っ!!』
私はその場で泣き叫ぶ。
『主様……。っ、これを…貴方に。』
フェネスはポケットから栞を出す。
『これ……。』
『トルコキキョウの押し花の栞です。
トルコキキョウの花言葉は……「感謝」「希望」です。主様に出逢えた感謝。貴方に生きて欲しいという希望を込めました。もう1つの花言葉は……。「永遠の愛」』
『……!』
『主様…ずっと、愛してます。俺が死んでも……ずっと。』
フェネスはそれだけ言い残して目を閉じた。
ポタッ。
雫がフェネスの頬に落ちる。
『……。』
私がフェネスに送るはずだった栞は、トリトマの押し花。私の「せつない思い」を貴方に伝えたかった。貴方に……。知って欲しかった。
『っ…。フェネス…っ。ごめんね…。』
誰か……この悪夢を終わらせて――。
次の日。私はまた同じ場所で目を覚ます。
――???――
『……また…繰り返すのですか?』
『…あぁ。当然だ。俺達の命はいくら散っても構わない。主様が…死ぬのはもう耐えられない。主様には酷だが…その日まで耐えてもらうしかない。』
『…主様のことを思うのなら、もうお止め下さい。彼女の心はもう…。』
『……主様には辛いものを見せているだろう。だが…主様がどう思おうと…俺たち執事は諦めない。主様が生きる未来を…俺達の誰か1人欠けても生きる未来を…主様には生きて欲しい。 』
『……分かりました。私は貴方達執事の思いを…尊重致します。』
次回
Day.6 『ボスキ・アリーナス』
なっちゃん
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コメント
3件
やっぱり夢から醒めてない、、死に戻りじゃなくなってる…? 花言葉がぁ…!もうちょっとで最推しだ… いつも楽しみに待ってます!
ぷちさん、第6話拝読しました。フェネスが主様を守るために走るシーン、心臓がぎゅっとなりました。栞の花言葉の対比(トルコキキョウの「感謝」「希望」「永遠の愛」と、主様が送ろうとしたトリトマの「せつない思い」)が本当に切なくて…。最後の執事たちの会話で、ループの仕組みがほんのり見えたのも気になります。次回のボスキさん、どのようなお話になるのか楽しみにしています。